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アルカロイド・ラヴァーズ

星野 智幸

この小説、自虐的というか、自傷的というか、退廃的というか...
健康体をよしとしない、魅惑的な毒の世界をテーマにしたものです。
かといって、よくあるような麻薬をストレートに描いたようなものでもなく、とらえどころのない甘美な世界が描き出されていて驚きました。

ドローレス・オルメド美術館の骸骨の木の前で咲子のパトロンとなったワタシ=ユキが、咲子と陽一のアルカロイドでつながった不思議な関係を語るお話。
ふたりの間を介するベンジャミンも摩訶不思議な存在。
咲子の本籍地が横浜市青葉区美しが丘で舞台が市ヶ尾あたりというのも妙な気分に拍車をかける。
田園都市線とかガーデニングをモチーフにこんなふうな奇怪な小説にするとは、星野智幸氏ただものではなさそうです。

アルカロイドというのは、植物が持つ窒素を含む特殊な塩基性成分の総称だそうで、毒性や特殊な生理・薬理作用をもつものなのだとか。
ニコチンとかカフェイン、モルヒネ、コカインなどもこれに属するものです。
作品中には、ペヨーテ、イヌサフラン、スイートピー、イチイ、ヤカツ、チョウセンアサガオなどのアルカロイドが登場します。
毒とも薬ともいえないような魅惑的な恍惚感に引きずり込まれそうな小説でした。
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2005.03.05 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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