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原田 武夫

なかなか骨太な新書でした。最近の売れ筋本と一線を画す硬派な一冊です。
まず最初にこの本で書かれているのは、90年代まで日米間にあった貿易摩擦など確執が消えたことの事実背景の論証です。それは、助言を残す程度の協調路線と言われるようなものではなく、日本がアメリカの力に屈し、自らも気がつかないほどにその配下に置かれてしまったというもの。その方法として「パブリック・ディプロマシー」と「ヒューマン・インテリジェンス」が巧みに使われたそうです。
本書では「利益確定」ということばで説明されていますが、日本はアメリカの利益を得るために太らされる豚のような役回りを演じているといいます。その前提となった変化を、歌舞伎背景画にたとえて「書割」を変えられ続けているというのが著者の主張です。たしかに、アジア、とりわけ日本の「情報の非対照性」を排除しアメリカの土俵やルールにあわせてしまっていることは周知の事実。アメリカの利益や庇護のものとに日本があるのはいまや当たり前と思うところもありますが、この本を読むと、人知れず経済や思想の根幹で形成されているアメリカのしたたかな戦略があることに気づかされます。それによって政治すらも動かされているのですね。アメリカがつくったシナリオの上でプロデュースされながら出演料をいただいている役者というのが日本の実態であるのは間違いないようです。先日のWBCにも見られたように、ルールと審判をアメリカが決めて、そこで試合をするのが日本というのがすべても体現しているようです。
書割を書き換えるための自走装置が、自らが酔っている「構造改革」という心地よい響きを持つマジック・ワードそれ自体だとしたら。日本人基準でなくアメリカ基準で考えてはじめて世界を両目で見ることになるようです。
世界中の富をみつけて本土にトランスファーするアメリカの戦略はまさにグローバリスムそのもの。個人資産は1400兆円を超える黄金の国の価値は何者にも変えがたい魅力のようです。

アジア通貨・金融危機、「フリー」「フェア」「グローバル」を掲げた「金融ビッグバン」とそれにともなう「会計制度の国際標準化」、インターネットに代表されるIT革命のアメリカによる情報統制管理、「郵政民営化」などに代表される株式上場を第一義としてしまった悲劇など、「利益確定」と「書割変更」には事例を事欠かきません。そう考えると、最近施行された会社法にも株式会社設立の簡易化や転換の促進がもりこまれていますが、これさえもアメリカの利益確定に見えてきます。
眼から鱗の裏話も盛りだくさんで、その内容にはわが意を得たりの感があります。日本の国際化は本来の意味で自立することに他ならないという思いを強くしました。その自立が何によるものなのかを考えることが日本の将来を考えることになりそうです。まずは事実を知ることから。

[本▼▼▼▼▽特盛]
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2006.04.23 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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