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FUTON

三崎 亜記

ライトノベルだろうと決めてかかっていたら、なんのなんの、社会派小説ともいえるほどの内容。
となり町との間で今起こっているという、いっこうに目に見えてこない戦争。
ヴァーチャルなゲームと感じる一方で、なんとも言いがたいリアリティが見え隠れする。
「僕」と役場の「香西さん」の書類でつながれたような事務的な関係。
この感覚が今現実に置かれている状況とぴったり一致するところがおもしろい。
戦争を町役場の業務にしてしまっているところはシニカルでおもしろいのだけど、そこにまた変なリアリティを感じてしまうから始末が悪い。
町役場の用意する書類や対応に背筋が寒くなるようなところさえもあります。
登場人物のすべての描写にもほとんど人間性を感じないのだけれど、その一部であっても作者の意図に反するものだとしたら、作者本人も含めこの小説が生まれたこと自体が恐ろしくさえあります。
逆にその人間味のなさまでが計算ずくで書かれたものであってほしいと願いたくさえあります。

ちょっとアイデアが先行しがちなところはご愛嬌として、このセンスはなかなか買いかもしれません。
マーケットプレイスに出品したらすぐに買い手がみつかりました。
一応、時流も反映した注目の作品ということでしょうか。
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2005.03.21 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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