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丸谷 才一

とてもとてもおなかいっぱいになる本です。目の前においしいケーキを山ほどつまれて、一番いいところを指でちょっとずつ舐めているよう。
紹介されている本を残らず読んでみたくなるのは、選ばれた本そのもののすばらしさもあると思います。でもそれ以上に、丸山氏の書評のうまさによるところが大きいようです。読まないのに読んだ気になってしまうほどです。単なる書評ではなく、読むことまで追体験しているような贅沢さ。本好きの本好きのための選書集ともいえるかな。冒頭で書評についてのインタビューがされていますが、書評とはかくあるべきというひとつの形を見せられたようでもあります。
この本を読んで丸谷才一さんに対するイメージも様変わりしてしまいました。これほど広く柔軟に文学を消化できる人の小説ってどんなでしょう。あの『ボートの3人男』なども氏の翻訳だったとは気づきませんでした。
それにしても、知らない本の多いこと。にわか読書家なんだからあたりまえですが。読書の先にあるものがいまだ見えない。読んだつもりが読んだことになっていない、もったいない読書の仕方をしているのかも。読書の世界は途方もなく広い、そんなことも思いながら半分読了。

メモ
『いいなずけ』 平川祐弘の訳が際立つイタリア文学代表作
『暗い並木道』 原卓也訳 モーパッサンの弟子 短篇
『聖者と学僧の島』 アイルランドの世界史への貢献 『ユリシーズ』の背景色
『ソクラテス以前以後』 話術にすぐれた哲学書
『オデュッセイア』松平千秋訳 歯切れ、口調よくわかりやすい
『父と暮らせば』井上ひさし 戦後日本最高の喜劇
『スゥイム・トゥー・バーズにえて』 オブライエン
『南回帰線』ヘンリー・ミラー
『なぜ日本は没落するか』 ものを考えない日本人
『多情多恨』 である体の尾崎紅葉
『机上の一群』向井敏 当代を代表する書評の名手
『再読日本近代文学』 小林秀雄的風土への挑戦
『ヨーロッパの色彩』 ミドリのワインが白ワインと呼ばれるわけ
『南国に日は落ちて』『蜘蛛女のキス』を超える最後の長編
『墨東綺譚』永井 荷風
『灰色の午後』佐多稲子 
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2005.12.23 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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