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直筆商の哀しみ

ゼイディー・スミス

図書館で借りなおしながら約一ヶ月かけて読了 
550ページの厚さのあまり寝かせておいたというほうが近いかな
この厚さになるとさすがに持ち歩くのはむずかしいですね

主人公のアレックス=リ・タンデムは中国系の信仰心のないイスラム教徒で禅の心を持つ直筆商(オートグラフマン)という設定
これだけでこの本を理解しながら読み進むのがいかに困難を極めることになるかわかるというもの(笑)
住んでいるのもロンドンの北部にある住宅街で、たくさんの移民が住んでいるらしく友達も白人から黒人まで人種も宗教もさまざま
さらに登場人物の名前がいろいろな呼ばれ方がされるし、映画や芸能関係の人の名前も次から次へと出てきます
もうこれは読書の修行状態

話は幼少時代の1日に始まり、内向性をなんとかしようと父親に連れて行かれたプロレス会場で直筆商としての道に目覚める
直筆商というのは早い話サイン・コレクターのことで、いわば自由業の典型みたいなもの
アレックスの生活にもさしたる目的があるもわけではなく、収集家として女優キティ・アレクサンダーへの憧れだけを持ってヒョウヒョウとした生活を送っている
内向的ながらも友達とのどこか突き放すようなやり取りは、ユーモアとウイットに溢れる
こんな気の置けない友達がいたら楽しいだろうなと思えるし、自由気ままに生きているアレックスの行き方もなかなかうらやましい
たった9日間の話ながら、次々に起きる小さなエピソードがなかなか楽しく描かれています
後半になってストーリーが思いがけない方向に展開しますが、これも前半の味わいを壊すことなくエンディングに
結局、どこかの書評にも書いてあった通り、繰り返し上がったり下がったりする小さな起伏が楽しい読める物語ということなのでしょうね
ただ主題は、意味を失い始めている象徴(シンボル)を自分のオリジナリティもなくコピーする現代人の姿を描くあたりにあるらしいです
文中に頻繁に出てくる世界に共通するジェスチャーあたりからそこまで読み解くのはちょっとむずかしいですが
この作品についてはあまり評価をしない人(国内外)もいるようですが、私自身はかなり楽しく読むことができました
ますますイギリス文学から離れなくなりそう
それにしてもこの作者、才女というのはわかりますが、まだ20代というのは驚き
自作も楽しみです
主な登場人物が整理されていると多少は読みやすいと思うので、今後読む予定の方のために

エスター・ジェイコブズ  彼女
アダム・ジェイコブズ  幼なじみ(黒いユダヤ教徒)
ジョーゼフ・クライン アレックスにサイン収集の楽しみを教えた友だち
ラビ・マーク・ルービンファイン 幼なじみ(ユダヤ人)

レベッカ  ルービンファインの妻
ブート(ロバータ)  不倫相手?


ラビ・ダーヴィック  ユダヤ教超確信派
ラビ・グリーン  ユダヤ教伝統派
ラビ・バーストン

ジェイソン・ラビリア オートグラフマン仲間
イアン・ダヴ   オートグラフマン仲間
ブライアン・デュシャン  オートグラフ贋作作家

ジェイコブズ  ビデオ店の店員

キティ・アレクサンダー  アレックスの憧れる女優
マックス・クライザー  キティの代理人)
ハニー・リチャーソソン(=ハニー・スミス)

マーヴィン 牛乳配達

グレース アレックスの飼い猫
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2004.07.04 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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