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絲山 秋子

ニートの現実をかいま見られるような小説です。苦しい生活を偲びながらなんとか折り合いをつけようとする人々の姿。ただ、それを見過ごしておけない誰かしらが手を差し伸べる。
ニートになるにもきっかけがあるし、抜け出せないにも何がしかの理由があるわけです。一概にいいとか悪いとか言えるようなものでもないけど、人生と社会のなにかがずれてしまっている状況。昔で言うところのモラトリアムに似たところもあるような気もしますが、社会構造の変化とそれに対する人の価値観が変わっているところは決定的に違うようにも思います。適応できないのでなく、新しい生き方が模索されているのかも。それは簡単に説明がつくようなものではなくて、とりあえずニートにはニートなりの人生模様があるわけですね。
ニートとそうじゃない人が補い合っているように書かれているのが、絲山さんのニート社内に対する答えのようにも感じます。それが社会を構成している表裏であるかのようで、いずれもが表もしくは裏のようでもあります。
これは絲山さん自身の体験も一部含まれているようで、細やかな表現に先進国日本のもうひとつの実態を感じられました。ニートの現実っていうのはこんなだろうなと思えます。絲山さんは心情の描き方がとてもうまいといつも関心します。思いを吐露せずして、ちょっとしたふるまいにすべてを語らせてしまう。
さくさくと読めてしまいますが、感じることは多い小説ですね。ニートをテーマにしてこれを超える小説は書けそうで書けないのではないでしょうか。いきなりニート小説もしくは現代社会小説の決定打のような気さえします。これからも現代社会に巣くう病理や深層にある社会問題のようなものをいろいろ見せてくれることを期待してしまいます。
短編小説の体裁をとっていますが、それぞれが微妙にブレンドされてひとつの話しになっているような小説です。このあたりもおもしろいところかな。
それにしても、さわやかさからエログロまでの幅広い設定をしながら、多様な文学世界を貫ける力はたいしたものです。毎度のことながらその多彩な才能に感心させられます。

[本▼▼▼▽▽大盛]

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2005.11.13 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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