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四方田 犬彦

『見ることの塩』というタイトルに惹かれた。
パレスチナ、セルビアと塩?

 私の見ることは 塩である
 私の見ることに 癒しはない
          -高橋睦郎


まさに、その通りの旅行記だった。
でも、これが現実。何の救いもない世界がそこにある。

全体が、イスラエル/パレスチナ編とセルビア/コソボ編からなる。
これをみただけでも、この本の内容が推し量られる。
いずれも、歴史的な紛争地として知られるところだけれど、ここまで実情に即した本を知らない。
情報が豊富というよりも、居住者に近い視点で書かれているところにすぐれる。
一般の政治的な視点でかかれたものとは一線を画しています。
かといって、情に流されるようなものでもなく、実情をあますところなく伝えるものとなっている。
テレビなどで第三者的に見ていた世界が、目の前に現れたようなリアリティ、今そこに暮らしているような錯覚にさえとらわれる。
不条理を解明しようとせず、不条理なままに受け止めているところが、この本の秀逸なところなのかもしれない。
読みながら頭を掠めるのは、「それでも生きて行く」という言葉。
「なんとかしたい」や「どうしてそうなるのだろう」といったことばさえ、もはや浮かばない。
すべての罪悪や憎しみを手にしてエゴに生きる世界はあるのだ。

[イスラエル/パレスチナ]
著者がイスラエルに滞在したのは、ハマスのヤシン氏がミサイルで暗殺されたころというのだから、ごく最近のこと。
まず感じるのは、実態のないイスラエルという国。ユダヤというくくりすらもが体をなさない。もはやイスラエルという国の形づくりのためにすべてのものがつじつまあわせに使われている感すらある。
それを唯一保障するものが武力と行ってしまうのが一番わかりやすい。
ただ、誰の誰に対する武力なのかさえもよくわからなくなっている。
イスラエル自体が、ユダヤ人の賤民意識を体現しているという意見もわからなくもない。
本書を読むと、誰も望まずして生まれ、崩壊を突き進む国イスラエルのイメージが強く残る。

国家としての優秀性を保持しようとし、ユダヤ教というよりも民族で選別する思考が内在している。ただ、実態に即してみるとその民族の意義すらもがきわめてあいまいではある。イルラエルに独自の文化と呼ばれるようなものはほとんどみられないのもわかる。
移民方針の変更により生じたアシュケナジーム(西欧系)とスファラディーム(地中海系)やミズラヒーム(東方系)との確執として現れる。それは、アラブ系のユダヤ人の増加を抑止するために、移民政策を推し進められた結果。
2002年4月3日から約2週間にわたりテロの温床と言われた西岸北部の難民キャンプジェニンで、ヘリコプター、戦車、ブルドーザーによる殺戮が行われた。
ガザ地区を開放しても、水源や電力を押さえアラブ人の実質的駆逐をもくろむ。西岸地区では数百キロにわたる壁を築きながら、領土拡大を既成事実化する。
18歳から3年感軍隊に入り、45歳まで繰り返し軍役を求められる国。身近なところでは、日本でよく見かけるアクセサリーを売る外国人旅行者のほとんどがイスラエル人なのだそうだ。
日本赤軍(岡本公三)の乱射事件に習ったというパレスチナ人の自爆攻撃は果てしなく続き、イスラエルとパレスチナの消耗はとどまるところを知らない。

HIROPRESS.net

DAYS JAPAN

[セルビア/コソボ]については別エントリーで書きます。

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2005.11.03 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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