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ユーディット・ヘルマン


この方、ドイツの次世代文学を担う人として多くの期待を集めている作家だそうです。
読んだ感想は、クールというか、人と人のつながりが非常に淡白な印象を受けます。
これは著者の作風ということですね。
実に硬質な筆致です。
ここ数年で読んだドイツ人作家というと、ジークフリート・レンツの『遺失物管理所』、ベルンハルト・シュリンクの『朗読者』、カフカの『城』ですが、いずれも共通するものは感じます。
その硬質さが、奥底にある温かみを感じさせるといえなくもないのですが、そこまでたどり着けるかどうかは読者の想像力に頼るところかもしれません。

登場人物の視点でみると、それぞれが勝手に生きているのだけど、どこか頼らざるを得ないような弱さも残します。
ただ一方で、自分の都合で頼るかどうかを決めているようなドライさが一貫して貫かれています。
もしかすると、ドイツ社会の根底に人々をつないでいる強固な何がしかのインフラがあるのかもしれないなんてことを想像してみたりもします。
作品から表面的な潤いのようなものはあまり感じられません。
都会の若者に見られる浮遊感という言葉がこの本に関して使われていますが、裏返せば、どこにもよりどころのない孤独感につながるような生活とも言えるのではという気もしますが。
ほとんど生活観を感じさせない登場人物たちは何を望み、何を感じているのでしょう。
本能の赴くままにといったところというと言いすぎでしょうか。
ホロコーストにとらわれ続けるドイツにとって、いい意味においても悪い意味においても、何ものにもとらわれない生き方自体が新鮮なのかもしれません。
この本は賛否両論が出そうに思います。
わかる人にはすごくわかるし、わからない人にはさっぱりわからないような小説です。
個人的には、過剰な情感をそぎ落とした文体に引かれはするものの、衝撃を受けるような斬新さは感じませんでした。
こういうスタンスの本は、結構ありそうな気がするのですが。
ただ、この本のよさがわかってないのではないかという疑念が消えないままです。
どなたか読まれた方がいらっしゃったら感想をお聞かせください。

[本▼▼▼▽▽大盛]
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2005.10.19 | 本  | トラックバック(1) | コメント(2) |

はじめまして。トラックバック・ピープルから来ました。
この小説は私もよく分からなくて、実は困惑してました。
たとえが悪いかもしれませんが、フランスのお洒落系小説っぽいなあ、と。
男性視点に共感できて、女性視点に違和感をおぼえた記憶があります。
ベストセラーらしいので、何か人の心をがっちり掴むものがあるのでしょうね。
ちなみに、詳しい感想は↓に書きましたが、あまり消化できてないって感じですね……。

http://www.pulp-literature.com/200509a.html#03_t1

2005.10.26 15:54 URL | T #IOHzO7x6 [ 編集 ]

Tさん、コメントありがとうございます。
そうなんですよ、どこかにありそうな印象をぬぐえないんです。
正直言って、決定的な評価がどこにあるのかがよくわかりません。
たまにいいという人のコメントを聞いたり、読んだりしてもわからない(笑)
ドイツ国内に限定で期待されているということならわからなくもないのですが。

2005.10.26 22:38 URL | uota #ogz9v/Dw [ 編集 ]












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夏の家、その後 / ユーディット・ヘルマン 松永 美穂

2005.10.22 03:12 | 私は世界を拡張する

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