FC2ブログ
戦争の世紀―第一次世界大戦と精神の危機


15日は終戦記念日。
この時期になるとどうしても戦争のことを考えてしまう。
というわけでこの本を読みました。

戦争の世紀と呼ばれることになったすべてのことが第一次大戦に始まったという内容です。
以前、人が人を殺せる確立を飛躍的に高めたのが第一次大戦だと聞いたことがあります。
ほぼ100%近くの人が戦争の名の下に人を殺せるようになったということです。
それまでは戦争でも人が人を殺すことは半分ぐらいの人にしかできなかったのです。
今では当たり前のように思われている多くのことが第一次大戦から始まったわけです。
本書によると16世紀から20世紀(1989年)までの戦死者4612万のうち20世紀前半の50年だけで57.6%を占めるとのことです。
まさに私たちが生きた20世紀は大量殺戮が繰り広げられた特異な時代。
日本にとっては大戦というと太平洋戦争のイメージが強いですが、ヨーロッパでは第一次大戦をさします。
1914年6月28日にサライェボで起こったオーストリア=ハンガリー二重帝国の皇位継承者フランツ・フェルディナント大公と妃の暗殺に始まった大戦は、855万人の戦死者と775万人の行方不明者、2119万人の負傷者を出しました。
機関銃による一斉射撃、それを防ぐために塹壕戦、それを突破する戦車、それを攻撃する手榴弾、さらには飛行船による空爆、毒ガス...殺戮のための兵器が次々と生まれました。

ぼくらは誰とも会うこともない。決して会うこともない。とにかくこの戦争の中では人と会うことなどないのだ。(中略)この戦争はひどいものだ。人間を打ち倒してしまった。この近代戦、この戦争は筋肉の戦争ではなく鉄の戦争だ。科学の戦争であって技芸の戦争ではない。この戦争は産業と商業の戦争なのだ。この戦争は役人たちの戦争であり、新聞の連中の戦争だ。(当時の記述より)

著者はフランスを研究するうちに第一次大戦の歴史的な重要性に触れないわけにはいかないと考えたそうです。
事実記録に加え、各界の知識人の当時の見解がこの本を意義深いものにしているようです。
第一次大戦を科学データとしてでなく思想家の観点からとらえているところがとても興味深い1冊でした。

スポンサーサイト



2004.08.03 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://slowfish.blog9.fc2.com/tb.php/596-a4cf1627