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保坂 修司

『アラビアのロレンス』の舞台、高騰で話題の石油の世界の四分の一も埋蔵する最大の産油国、少し遡れば9.11犯人の大半を出した国、i-Podのアップルの大株主、それがサウジアラビア。
ワリード王子はフォーブスの長者番付で世界第四位。
ところが知っているようで、よくは知らない国。
この本を読むとその実態が実によくわかります。
なんでもかんでもイスラムで片付けてしまわないようにしないと。
以下、要約です。

第二次サウード王朝のとき、蔑称としても用いられたワッハーブを派名として標榜してまで、宗教的大儀をつくった保守的イスラム国家。
18世紀にはワッハーブ派から宗権を委譲され聖俗両権をもった。
現代サウジアラビアはクェートに亡命していたサウード家が1902年にルヤードを奪回したことに始まる。
現在でも正式国名は「サウード家のアラビア王国」という意味。
イラン、エジプト、リビア、イラクの王政崩壊後も依然政権を維持し続けるアラブの残された王国。
初代国王のアブドゥルアジーズの血筋ノサウード家だけに限らず、アブドゥルアジーズ以前の分家までも王族として権力を持つ。
内政、外交の重要情報はほぼすべての要職にある王族が押さえる。
アルジャジーラができる前は、サウジアラビアの王族がアラブのマスコミさえも牛耳っていた。
2大王族企業、キングダム・ホールディングスとフェイサリーア・グループに代表される企業の支配は財閥さえも超える規模という。
第二次大戦後に石油の重要性を考えたアメリカが関係性を強めたことは良く知られた話。
ところがこの石油が変動が激しく、依存した経済も来年度予算も組めないほどという。
石油価格はOPECも石油メジャーにもコントロールできない完全な市場主導に変わった。
これにサウジの三分の一を占める外国人労働者とサウジ人の急激な人口増が加わり一人当たりGNPは低いままにとどまる。
優秀な中堅外国人労働者の数と対照的に、職業を選ぶ能力の低い若年層のサウジ人に大量の失業者が生まれる。
それにもかかわらず、彼らはホワイトカラーにしか仕事を求めようとしない。
王族への不満を外に向けるため、90年代以降の教育はその半分近くをイスラム教の教えを学ぶ時間とし、他民族宗教へのジハード(聖戦)を推奨した。
同じスンニー派ですらサウジ人でなければ認めず、一神教であるユダヤ教やイスラム教ですら多神教の仏教と同様に排斥の対象として扱われる。
これらの結果として、アフガニスタンのソ連(共産主義=無神論者)からの防衛に多くの若者が向かった。
帰国後、サウジアラビアに彼らを受け入れる余力はなく、ボスニア、チェチェン、カシミールなどへその存在価値を見出していくこととなった。
一方、クェートの開放に伴うアメリカ軍のサウジアラビア国内への駐留が、宗教勢力の反米意識を表面化させた。
サウード家の身内による氾濫となったマッカ占拠事件(79年)以降、不安定な内政が顕在化していくこととなった。
リベラル派の建白書(90年)、これに続いた保守派の建白書(91年)などが出され、徐々に民主化への道を模索せざるを得ない状況も生まれ始めているという。
ファハド国王に代わり、実質的な国政を握るアブダッラー皇太子はイスラエルの全占領地からの撤退を条件にアラブの関係正常化を表明している。

[本▼▼▼▽▽大盛]
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2005.10.16 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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