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橋本 治

橋本治という人の本を初めて読んだのですが、第一印象として右脳思考を感じました。
作家や思想といったものには興味がなくイラストレーターになったというあたりを読んで一般的な思想家とは異なる背景に強く興味を引かれました。
著者が既存の先入観や枠取りにとらわれず、思考として自由であることをいかに大切にしているかが、とてもわかりやすく説得力をもって語られています。
私にとっては驚くべき思想家との出会いになりました。
紹介していた、蜂飼さんもすばらしい作家だと思いますが、紹介する本もすごい。
普通で平易な文章に、二人の共通点を感じます。

「他人のつくった正解に自分を無理やりはめ込もうとする」ことへの考えを述べているあたりに、ただただ感心。
「国家」や「神」、「宗教」を大人のためのおとぎ話と切って捨て、「国家」と「宗教」の戦いを空しいとするあたりも、自分のもやもやした思いをきれいさっぱりと晴らしてくれました。
中盤の「教養」について書かれているあたりも、確かにその通りだと思えるところが多く、ものごとへのアプローチの仕方がとても心地よく、今までのしがらみから嘘のように解き放たれていきます。
昭和の終わりやインターネットの台頭などによる時代の変化も、独自の切り口で語られ、今まで気づかなかった変化の本質を実感します。
というようなことを書いてみても、普通の話しにしか感じられないかもしれませんが、これが別の話しに思えるほど深い次元で平易に語られるのですから恐れ入ります。
橋本治は今の時代、これからの時代に求められる人だということがよくわかりました。
何事にもとらわれない発想の自由さ、きわめて本質的でありながら平易な語り口、とにかくまいりました。
既存の哲学や思想に頼ることなくその本質を説ける力に感服。
いやはやすごい人がいるものです。
この年になって、両目を開かれたような静かな興奮を感じるすばらしい本でした。
これからもこの人の発言に注目していきたいと思います。

93
教養を捨てることは、自分の現在だけを成りたたせる興味本意の「雑」だけでよしとし、人としての思考のフォーマットを捨てることになる。
そして、「雑」を吸収しえない教養だけでよしとしてしまったら、そこでは個なる人間の「生きることに関する実感」が捨てられてしまう。
方言と標準語がそうであるのと同じように、「雑」と教養もまた、互いに感流してぐるぐると回るものだと思う。そのような形で、決して教養は古くないし、不要でもないと思う。教養というシステムを回復させない限り、情報という中途半端な知識に振り回される人間達は孤立したままで終わるだろう-そういう逆転現象は、すでに起こってしまっているのだと思う。


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2005.09.13 | 本  | トラックバック(1) | コメント(4) |

私も読みました。
ただまだうまく消化しきれてなくて記事にはしていません。
でも「異質な他人に対する想像力を養うためにも本は必要」というあたりは
ナットクでした。
uotaさんがおっしゃる通り、わかりやすいですよね。
ところで、uotaさん、保坂さんの『小説の自由』
お読みになってましたよね?
今月の“群像”で「小説よ、世界を矮小化するな」というテーマで
石川忠司さんと対談、やってます。
私もまだちゃんと読んでないんですが、
とりあえずお知らせまで。
すでにご存知だったらごめんなさい。

2005.09.14 14:14 URL | LIN #- [ 編集 ]

橋本治氏の話しは、すべての話しが自由で本質的なのに驚きました。
不思議なぐらい腑に落ちるんですよね。
本のところも納得です。
指摘されているような本との接し方をしなければいけないなぁと思いました。
保坂さんの対談のことは知りませんでした。
どういう話しをしているんでしょう。
テーマもおもしろそうですね。
群像”をみつけて読んでみます。
ご紹介ありがとうございます。

2005.09.14 15:54 URL | uota #ogz9v/Dw [ 編集 ]

またおじゃまします。
ぼくの場合「上司は思いつきでものを言う」で初めて橋本治の本を読んだのですが、内容の是非はともかくすぐにこの人の別の本を読んでみたいと思いました。
(この投稿に入れたURL欄には直接そのときの感想のページにリンクしてます。拙い文章ではずかしいですが)
それで今回紹介されているこの本なんですが、タイトルが象徴するかのように結局何が書かれた本なのかよくわかりませんでしたので、はやく本屋で見つけてみたいです。もし面白そうならこちらからamazon経由で購入しますね。
uotaさんの「「国家」や「神」、「宗教」を大人のためのおとぎ話と切って捨て、「国家」と「宗教」の戦いを空しいとする」と書かれた部分についてどのように橋本治が表現しているのかに興味があります。

2005.09.15 05:20 URL | junike #- [ 編集 ]

junikeさん、こんにちは。
『上司は思いつきでものを言う』の感想で書かれていることと、ほぼ同じスタンスの取り方と思っていただいてよさそうです。
この本は、橋本治さんが物事をどういうふうにとらえたり、考えたりしているかということを知るのにいい本だと思いました。
ただ、1冊しか読んでないのでベストかどうかはわかりません。
私流の解釈では、橋本流”自由”のありかたというふうに感じました。
「国家」と「宗教」の戦いのところは、ひとつの事例として触れられていると思ってください。
私にとっては、自分の固定概念を取り除くのにとてもいい本でした。
これぐらいの大局感思考の深さを持てるようになりたいものです。

2005.09.15 19:47 URL | uota #ogz9v/Dw [ 編集 ]












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気になる本メモ[追加づけ]
---元記事投稿:9/14---進化しすぎた日本人杉山 幸丸 ↑目次だけみると、もう日本人も終わりだな、と思う人が読むのに合いそうな感じがしなくもなかった。誰かに早くレビューを書いてほしい。「平等」が人間の精神を破壊する―精神科医が分析する現代社会の病根!野...

2005.09.15 21:26 | 小春日和の陽射しの中で

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