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ジャン・ジオノ

訳者あとがきに、

ここでいう世界は、人間が活動する世界であると同時に、動物や植物、さらには山や河や平野など自然界のありとあらゆる要素が活動する世界である。

と書かれています。
人間が自然界を支配しようなどと思う前の世界を思い起こさせてくれます。
著者自身が暮らしていた南フランスのオート=プロヴァンスの人間や自然の営みの総体が奏でる歌を描写しようのだそうです。
まさに、生きる喜びと悲しみ、光と影が渾然一体となったような世界が展開しています。
それは、ちょっと民話や神話時代を彷彿とさせるようなものでもありあります。
デュランス河が「主人公」になっているとの評論もあるようですが、舞台となったルベイヤール地方でのすべてがはてしなく広がっていくようです。

語り口調が古典的というか、現代風ではないため、神聖さを感じるようでであり、わかりにくくありというところでしょうか。
仮にこれをわかりやすいすい普通の表現にしてしまえば、その美しさは大きく損なわれてしまうように思います。
この表現の仕方であるがこそ、人が理性ではなく自然界と同じ本能で生きていたような不思議な感覚に囚われるのだ感じます。
登場人物の年の差をあまり明確に感じさせないのもきっと意図的なものなのでしょう。
時間とか年齢もあいまいになっています。

物語は、息子で双子の兄ダニスを見失った樵(きこり)のマトゥロが、カケス島に住む若くてたくましい漁師アントニオに捜索の旅の同行をしてもらうよう頼むところに始まります。
アントニオは<金の口>とあだ名される歌をつくるのがうまい男で気もよさそうなタイプです。
マトゥロの妻のジュニの助言により、北のヴィルヴィエイユに住む暦を売っている商人に会いに行くことになります。
そこは、牛たちの支配者モドリュが治める土地でした。
季節は物語とともに秋から翌年の秋へと移っていきます。

繰り返し、繰り返し読んで、少しずつ少しずつ自分の中に取り込んでいくような本です。
そのつどに何かを感じられるような余白がたくさんありそうに感じます。
タイトルが『世界の歌』となっていますが、詩をウタと読ませるといいような詩情に溢れた作品でした。

早速、アマゾンのマーケットプレイスを見たら、安くていいものがありました。
こういう一見とっつきにくい本は、きっと読まないで売られることも多いのだろうと思います。
性急に何かを得ようとせず、自然の流れに身を任せるようにもう一度読んでみたいと思います。

プロヴァンス万歳

[本▼▼▼▼▽]
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2005.08.28 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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