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西牟田 靖

終戦記念日にあわせるように図書館から準備できたとのメールが入り、一気に読み終えました。
それほど引き込まれるとてもいい本でした。
それにしてもこのタイトルと装丁は勘違いされそうで残念。
これじゃ、単なる右翼本にしか見えない。
内容が第二次大戦中に日本が進出した国々にその痕跡を探すというものなので、もう少し多くの人が手にするようなものにすればよかったのにと思います。
スクーターを使った旅だったせいもあるのだと思いますが、地に足を着け居住者の声に耳を傾けた地道な記録が新鮮です。
相手の懐に飛び込むような取材は、読むものにとって痒いところに手の届く心地よさがあります。
そればできたのは、西牟田さんならではの素直な人柄が手伝っているのかもしれません。
明らかに相手の感情を害するだろう質問もためらわずストレートに投げかけられるところはすごいです。
各国にある鳥居や日本語をしゃべる現地人や残留日本人の多さなどを知るにつれて、日本の軍隊や移住者が本当に彼の地まで進出して、日本の制度、文化を残してきたのだということを考えさせられます。
国籍が違う人が流暢に話す日本語は、間違いなく当時の侵略行為を実証するもの。
本来の言語を失うことほどアイデンティティの喪失につながることはないと思います。
サハリンに残された日本人へのロシアの対応、台湾の日本贔屓の背景、朝鮮の閉ざされた世界、韓国の対日感情の裏表、北朝鮮の特異な体験などなどが自分の耳で聞いているように心に沁み入ってきます。
日本兵による虐殺が行われ、今でも侵略の証拠として残されている人骨に覆われた旧満州の大石橋の万人坑や平頂山、ロシアと日本人が対峙したモンゴル国境ノモンハンの雪原、自決の地となったサイパンのバンザイクリフなどの記録が生々しく書き留められています。
ロードノベルとしてもすばらしい1冊だと思います。

読み始めてすぐに沢木耕太郎の『深夜特急』を思い出しましたが、あとがきを観ると同じルートをたどった経験を持つのだそうです。
『深夜特急』が自分を発見する旅だったとすると、こちらは日本国を探す旅と言っていいと思います。
こんな視点から日本の戦中戦後を考えた本はこれまでなかったのではないでしょうか。
当然のことながら当時の日本のよいところが出がちな印象はありますが、当時の日本がアジアの国々に与えた影響を知るためにひとりでも多くの人に読んでもらいたい一冊です。
敵対関係にあった国の一人の人間と一人の人間が向き合うときに戦争をとらえる見方はこれほど違って見えるのかと思います。
大日本帝国を自分の手元にぐっと引き寄せることのできる本です。

[本▼▼▼▼▽]
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2005.08.15 | 本  | トラックバック(0) | コメント(2) |

突然失礼いたします。
『僕の見た「大日本帝国」』の著者、西牟田靖と申します。
誠に遅ればせながら、ご紹介賜りありがとうございました。おかげさまで、このたび姉妹篇『写真で読む 僕の見た「大日本帝国」』を刊行のはこびとなりました。前作をお読みいただいた読者のみなさまから寄せられた「もっと写真が見たい」との声に応えるべく、未公開の写真約400点(うちほぼ半数はカラー写真)を掲載し、新たなエピソードを全編書き下ろしたノンフィクション作品です。不躾とは思いましたが、ぜひご高覧いただきたくご案内申し上げました。
なお、全国発売の開始は2月23日ですが、都内では、紀伊国屋書店新宿本店、ブックファースト渋谷、八重洲ブックセンター、リブロ池袋の各店舗にて、2月11日頃より先行販売を実施いたします。もし機会がございましたならば、書店店頭にてお手にとっていただければ幸いに存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。
末文ながら、ますますのご健勝ご活躍を祈念しております。

2006.02.09 04:14 URL | 西牟田靖 #be3FNRow [ 編集 ]

レビューを書いていただきありがとうございました。
著者の西牟田靖です。
『僕の見た「大日本帝国」』の文庫版が発売されましたので紹介させてください。http://www.amazon.co.jp/dp/404409425X税込み940円。その後を追加取材したあとがき、松原隆一郎(東大大学院教授)の解説がついています。

2010.08.04 21:30 URL | にしむた #NkAbN5us [ 編集 ]












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