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レ・コスミコミケ

イタロ・カルヴィーノ

先日読んだ「柔らかい月」に比べれば遥かに読みやすいものでした。
宇宙の起源から見てきた?Qfwfq老人が、宇宙で起きてきたことを思い出話のように語ります。
科学に基づく事実を題材をイタロ・カルヴィーノが自在に操り、幻想的かつ人間的な魅力にあふれた短編に仕上げています。
たとえば「ただ1点に」では、

「エドウィン・P・ハッブルによって始められた星雲拡散速度の計算を通じて、その拡散の開始する以前に、宇宙の全物質がただの一点に集中していた時点を確定することが可能である」

というような現実の話を短編の小説に料理してしまう。
なんだかわからない宇宙の1点に住人がすし詰めになっていたという想定で、近すぎて何人いるかわからないとか、狭いのに洗濯物を干すやつがいるとか、そんなところなにに移民扱いで見られるやつがいるとか。
Ph(i)Nk。婦人の
「ねえ、みなさん、ほんのちょっと空間があれば、わたし、みなさんにとてもおいしいスパゲッティをこしらえてあげたいのにって思っているのよ!」
という言葉から、1点であった宇宙が何百光年、何万光年、何億光年と広がっていったというような具合。
妙に泥臭い生活や人間臭さにあふれた西洋おとぎ話のような宇宙の様子が描かれます。
こんな話なのにとても宇宙を感じるのが不思議。
なんだかおもしろい作家ですね。

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2004.10.23 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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