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久世 光彦

昨年、ニセ有栖川宮を名乗るマルチ商法が話題となりましたが、これはその事件をもとに創作された物語。
一部事件と同じ名前があったりするところもあり、奇妙な現実感がありました。

のほほんとした殿様面の大部屋俳優である安間安間と美人なんだけど頭が足りない酒乱の華ちゃんを使って、皇室の婚姻と見せかけた披露パーティーでがっぽりもうけようとする魂胆。
この大芝居を企てたのが、自らを川獺(かわうそ)と言ってはばからない老女の穴太月(あのうつき)。
彼女の信念を持った狡猾さもさることながら、配役となる二人の男女のふらついた危うさ、弁護士の胡散臭さ、皇室の様式を相談された先生の疑いを知らない生真面目さ。
なんだか、みんな大丈夫?
くそ真面目なようでいて、ばかにされているような、奇妙な雰囲気に取り込まれます。
真剣になればなるほど人間の可笑しさと哀しさが浮き彫りになってくるような味のあるお話でした。

こういう世界を描いた小説もありそうでないかもしれません。
辻原登にちょっと似た浮遊感もある、なかなか好きなタイプの小説でした。
辻原登と違った煌びやかな華を感じるところが久世光彦ならではかな。
大人が似合う極上の娯楽小説でした。

お月さんが生まれた琵琶湖のほうでは、川獺のことを<おそ>という。<おそ>は正月になると、巣穴に貯め込んだ獲物の魚を次々に咥えて持ち出し、石舞台みたいな広い平坦な岩の上にきれいに並べて、うれしそうに立って跳ねる。夕闇の中だと、<おそ>は立ち上がると、身の丈が三尺ほどもあるから、まるで子供が祭りを踊っているようにみえる。これを穴太の里では<獺祭(だっさい)>という。

なんだか、『ポーの話』のポーと川獺が重なって、へんな気分であります。

[本▼▼▼▼▽]
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2005.08.08 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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