上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |

amazonへ

乙川 優三郎

舞台は江戸時代の銚子あたりにある飯貝根(いがね)。
そこは利根川と太平洋が交わり、荒々しいダンバラ波が立つところ。
居酒屋「いさな屋」を営む孝助とたか。
一見夫婦ものに見える二人は、店の主人と雇われ女将の関係。
孝助は、表向きの商売とは別に、桂庵の商売も手がける。
ただそれは、卑しい商売というよりも、借金や年季にしばられて生きていく女たちをささえているかのように映るところがこの小説のすべて。
この二人の瑣末なことに流されない、腹の座った生き様が実に心地よい。
世の中の何もかもを飲み込んでいるかのよう。
「いさな屋」は、近隣の気性の荒い鰯漁の漁夫や醤油屋を常連客に、行き場のない事情のある流れ者さえも受け入れていく。
明日をも知れず、ただ生きていくことさえままならなかった時代。
運命を受け入れ懸命に生きている人々を深く深く包み込む。

乙川優三郎の書く言葉はとても美しい。
こういう日本語があるんだとえらく感動させられる。
奇をてらった言葉使いではなく、当時の生活をありのままに伝える言葉がうれしい。
登場人物にのめりこみすぎず、一歩身を引いているかのような筆致が当時の生活を身近に感じさせます。

山本一力のとってつけたような表現に比べるとかなり控えめな小説ですが、それが自然の大きさを感じさせ、ありのままの姿を眺めているようで好きです。
スポンサーサイト

2005.07.21 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://slowfish.blog9.fc2.com/tb.php/317-0bfb1bcb

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。