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山田 詠美

山田詠美の新作が出るたびに、その評判が聞こえてくる。
結構、好き嫌いのはっきりする作家だとは思うけど、やはり気になる人。
彼女の小説を読んだのは『ベッドタイムアイズ』や『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』のころで、当時の黒人との恋愛小説がどうにも膚に合わず、そのままうっちゃってました。
『トラッシュ』も途中放棄。
前作の『ペイ・タイム』も、図書館の予約が多いなぁと思っている間に機を逸しました。

今度の『風味絶佳』は今までにまして評判がいいので、満を持して?風味を味わってみました。
久しぶりの山田詠美作品はさすがに作家としての円熟を感じられるもので、うまいなぁと思わせるところが随所に。
高尚ではなく、軽くて読めて意外に深い、森永キャラメルよりもグリコアーモンドキャラメルの一粒で2度おいしいに近いかな。
デビュー当時から、上辺流しの恋愛模様を書く人ではないと思っていましたが、そのあたりのうまさにさらに磨きがかかったという印象。
これがほんとの愛なのよねという彼女の声が聞こえてきそうです。
『灰とダイヤモンド』という大好きな映画があるのですが、あのタイトルを途中でふと思い出だしました。
きれいごとじゃない世界に燦然と輝く一粒のダイヤモンド、そんな美しさを感じました。
あえて肉体労働を描きたかったという意図もそんなところにあるのかも。
普通のサラリーマンじゃ嘘に固められた浮ついた恋愛小説になるのが関の山ってところでしょう。
いまどきの時代に多いエロ・グロでも幼すぎもしない現実的な純愛の形ですね。
作家としての年輪を感じさせるいい小説でした。
出てくる人たちの心情がきっちり伝わってくる人物描写はたいしたものです。
とくに、夫にうまい料理を食べさせることに全力を傾ける奥さんとゴミ清掃業の夫の話「夕餉」は格別でした。
そのほかの短編もそれぞれに異なった味わいと、魅力的な登場人物にみごと引き込まれました。
唯一気になるのは、ほんの一部に出てくるアメリカンな部分。
まあそれは好みの問題なので仕方がないかな。
できれば、この路線のままでいてもらいたいものです。
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2005.07.18 | 本  | トラックバック(2) | コメント(0) |












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「風味絶佳」 山田 詠美
山田詠美さんは、高校生のころから、なんとなく手にしてきた作家。これはどれも、ゴミ収集員やガソリンスタンド勤務など肉体労働系で働く男性との恋愛を描いた短編集。山田詠美さんの本のなかでもかなり好きな部類に入るかな。全体としてかなり落ち着いた印象で、しんみり。

2005.07.26 22:50 | 忘れられぬ風景を求めて

風味絶佳 / 山田詠美
作家生活20年目を迎えた著者の短篇集。表題作『風味絶佳』の主人公はファンキーな祖母を持つ志郎。高校卒業後、親の反対を押し切りガソリンスタンドで働きはじめ3年。その時、猛反対をする親を説得してくれたのが、ファンキーな祖母・不二子である。不二子は横田基地

2005.07.28 09:30 | 書庫  ~30代、女の本棚~

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