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ルイス・マイルストン

老教師の扇動的な話しに促され戦地へ向かった学生志願兵たち。
早々に、いい人だと思っていた郵便配達夫の軍曹としての変わりように驚く。
一方で、先に徴兵された人たちから、志願した思いも一笑に付される。
その後は恐怖に怯えながらの前戦暮らしが続いていく。

製作されたのが1930年ということで、第一次大戦を映画化したもの。
このころ始まったぬかるみに這い蹲る塹壕戦が恐ろしくリアルに描かれている。
人の感情が隠されたヴァーチャルな世界ではなく、当時の実体験をもった人が映画化したすごみが全編を覆い尽くしている。
まさに戦争映画の傑作というにふさわしい作品。
正義、期待、欺瞞、友情、絶望、乖離...一人の人間から見た戦争のすべてが凝縮されているといって過言ではないと思う。
これをつくりながら、結局現代に至るまで途絶えることのない戦争の世紀をどうとらえればいいのだろうか。
この映画の舞台になっているドイツも、敗戦による経済の低迷、国としての自信喪失から立ち直るために、再びヒットラーによる軍国主義を選ぶことになる。

国の戦争か、皇帝の戦争か、どうして自分たちは戦わなければいけないのか、誰にも憎まれている気がしないのに...という言葉が胸を打つ。
一人の敵兵を殺し塹壕で一夜を過ごすとき、命の尊さと、それを殺める慙愧の念に包まれる。
そこには悪と善の対峙などなく、人と人の殺し合いがあるだけ。
傷を負い故郷に帰ったとき聞かされる、パリに向けてさらに突き進めという無常なエール。
戦争を知らない者たちによる残酷な仕打ち。

この映画をみると何のための戦争なのかがほんとうにわからなくなる。
自分が招集され参戦するかもしれないという視点で戦争を考えるための多くの示唆が含まれている。
戦争に多くの議論はなく、この映画に含まれているものがすべてという気さえする。
もしあえて足りないものをあげるとしたら、犠牲者を追悼し賛美する視点ぐらいか。
それは、靖国神社の問題のすり替えに一致する。
でも、そんなものが戦争の本質を問うものではないことは議論を待たない。
戦没者が訴えたいのはきっと違うところにあるはず。
国への忠誠やそれに対する弔いなど戦争の肯定にしか感じられない。

先日小林よしのりの本を読んだが、ある意味家族を守るという使命は語られてしかるべきかもしれないけど、一方で泥水に顔を埋め、命をかける目的をわからないまま息を引き取っていく現実をもっとしっかり見つめなければいけないと感じる。
日本国内から戦争がなくなったように、世界からも戦争がなくなる日がくることを強く祈りたい。

まったく古さを感じさせない映像。
考えるべき点も70年前と今でなんら変わらない。
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2005.07.17 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(2) |

こんにちは
これをビデオで観たときは強烈な印象でした。
第二次大戦を経験する前の映画だということ。一度目の戦争で十分惨禍を被っていたにもかかわらず次の戦争へと進んでいったということ。後の時代である現在のわれわれが観ると、ラストシーンが終わりではなく始まりだったんだと気付きます。
レマルクの原作本も読んだ感想をupしようと思っているのですが、軽々しいことしか書けなさそうで延び延びになったままです。

2005.07.17 11:02 URL | nyu #- [ 編集 ]

nyuさん、コメントありがとうございます。
我々から見たときに、ラストシーンが終わりでなくて始まりだった...
そう言われると、背筋が寒くなります。
映画よりも恐ろしい悪夢のような70年が待っていたわけですね。
nyuさんの言われるように、この作品については語りつくせないほど多くのことが込められていると思います。
そこに答えが見出せない怖さもありますね。
単に反戦と言うだけですませられないような。

2005.07.17 13:50 URL | uota #ogz9v/Dw [ 編集 ]












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