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辻原 登

盲目の噺家の遊動亭円木が主人公のお話。
妹由紀の経営するマンションには山下(101号)と堀(202号)と陳(305号)という気の置けぬ仲間もいて、現代の長屋のような趣を感じられる小説。
一話目の『遊動亭円木』で、いつもの辻原ワールドに引きずり込まれてしまいました。
円木が盲目という設定も手伝って、いつもながらの辻原登の日常にありながら一時の軽い悪夢を見ているような不思議な読後感。
このオリジナリティにはまるとなかなか抜けられない。
短編がそれぞれ違うところで発表されているのだけど、それぞれの登場人物や事件が前後しながら完全につながっていく。
こういうタイプの小説はよくあるのだけど、辻原昇が書くと、その巧妙な細工に舌を巻く。
連作短編はこうでなくちゃいけないという見本のような見事な仕事。
それぞれの短編を独立して読んだ人には申し訳ないほど楽しい。
ここまで来ると私にとって、池澤夏樹、吉田修一に並ぶアイドル的な作家になりつつある。
こうなるともう、よいの悪いの言ってられなくなるのだけど、この人に限っては間違いなくいいと断言できる。
今回の落語設定の物語世界もすこぶる快調。
落語を下地にこんな風な小説を書けてしまうのですからただものではありません。
たまたま落語を聞き始めたので、そちらにも興味を持って読んだのですが、それ以上に辻原昇の小説世界をまたまた楽しんでしまいました。
というか、芥川賞作家の谷崎潤一郎賞受賞作なんですけどね。
もちろん、志ん生の『つるつる』、桂文枝『立切れ』、小せん『白銅(白銅の女郎買い)』など落語の話題、下町風情を感じさせる相撲や金魚も盛りだくさんです。
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2005.07.10 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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