上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |

amazonへ

青木 淳悟

『四十日と四十夜のメルヘン』に続く第二作目。
デビューが鮮烈だっただけに期待も高まるというものです。2作目あたりが作家として一番大変なのかもしれませんが。
読んでみると、期待をはずされることなく、次への楽しみも残るいい作品になっていました。長さの違う3篇が同じ家族を扱っていて、いずれもがお母さんを中心にした「内である家」の状態をおもしろおかしく描いたもの。シリアスありながら、ユーモアいっぱいな作風は日本人作家には珍しいかもしれません。ト書きを小説にしたとでもいうか、家族の情景を登場人物から少し離れた視点から書いているのがおもしろいですね。プチ自虐をもう一人の自分が楽しんでいるとでも言えばいいでしょうか。
『いい子は家出』、『ふるさと以外のことは知らない』、『市街地の家』の順番で実験度が高く、より抽象度が高い作品になっています。どのレベルが一番よいかとなると、これがなかなか甲乙つけがたく、それぞれの楽しみがあります。この3つが保管しあっているといってもよいのかもしれません。同じものでも書き方を変えればそれぞれの味があるとでも言わんばかりです。
著者自身も試しているのか、意図的に変えているのかはわかりませんが、適当におもしろいことをやってみようという、ほどよいいいかげんさが好きです。
前作同様、日常をありえない世界感で見ていくところは、この人独特のもので、ありえないけどそうとも言えてしまうような描写がいいですね。適当なようでありながら、これほどリアルな表現はないと思えるところの多さにも著者の底力を感じさせます。最近多い、まったくありえない空想ファンタジー小説との違いに作家としての今後の可能性を感じます。
第二作目を読んで、今もっとも好きな日本の若手作家の一人であることを確信しました。
ただ残念なのは表紙。これではイメージが悪すぎて売れないでしょうね。

#扇風機の風に吹かれながら 早朝に読了 今日はきまぐれな横浜散歩

[本▼▼▼▼▼]
スポンサーサイト

2007.07.01 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://slowfish.blog9.fc2.com/tb.php/1499-f9d86ce0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。