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五来 重

熊野のなんたるかがとてもよくわかる、読み手の期待を裏切らない内容でした。
明治の神仏分離政策前に、仏教と神道と民間信仰が融合した日本ならではの世界を垣間見るようです。墓の死霊が浄化し寺の祖霊になり、祖霊の昇華したものが神社の神霊となるというつながり(霊魂昇華説)という考え方をもって読むと理解が進むようです。
著者が言う「死の国」ということばはネガティブなイメージがつきまといますが、それは絶えることではなく再生につながるものであるという印象です。熊野の神秘を解き明かすキーワードであることは間違いないようですね。
風葬との関係での霊鳥とされたヤタガラスの成り立ちや熊野牛王のこと、小栗街道とも言われる熊野古道に伝えられる「小栗の判官」の再生物語、中世の熊野詣を知るための一遍聖絵(いっぺんひじりえ)、熊野曼荼羅、熊野参詣図の解説、熊野のもう一つの歴史である水軍にはじまる熊野別当湛増(たんぞう)や源平の物語、上皇や法王などの熊野御についてなど、かゆいところにまで手が届くお勧めの一冊です。熊野の成り立ちを知るに十分な歴史解説がされています。

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2007.06.10 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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