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スーザン・ソンタグ(近藤耕人訳)

写真やカメラという誰もが手にでき、商品として以外に何も考えることのないと言えるまでに身近になったものに対し、一体何を語れるのかということにとても興味を持って読みました。読後感は期待を大きく上回るもので、もっと早く読んでいれば写真の楽しみ方も違ったものになっていただろうと思えるものでした。
写真という今やどこにでもあるものをテーマとして扱っているだけに、なおさらソンダグの考察の広さと深さに驚かされました。概念的なものに対し概念で書かれるのではなく、単に物あるいは道具として存在すると感じていた対象について、あらゆる角度からその意味を問い直しているので、柔軟な思考とはこういうものかとあらためて考えさせられます。写真の本というよりも、写真を題材にした考察についての本という見方をしても十分楽しめる内容です。
話は絵画、映像との関係、記録の意味、醜悪へのこだわり、著名作家を通した価値、リアリズムとの関係、著名作家のことばなどなど書きつくせないほどの視点にあふれています。正直、この本で写真についての考察はすべてが終わってしまったのではないかと思えるほどのボリュームです。新しい機種の登場とともにマニュアル的な読み物は出てくるとしても、写真とはいかなる価値を持つものかということについてはもはや書き尽くされてしまった感があります。
読み終わっても整理しきれないほどの多用な論点にただただ驚きの連続です。これから何度も読み返す機会があるように思います、それこそが名著たる所以なのでしょうね。カメラを多少なりともかじったことのある人にとっては、漠然と感じていたこと、気づいていなかったことに溢れるすばらしい教材ですね。いい写真を撮ることではなく、写真を撮ること自体のあらゆる価値を再認識できます。これほどまでに多くの著名人が写真を評価していたことにも驚きました。
周知の事実やくどい説明を排しているところから少し読みにくく感じるところもありますが、行間を感じながら一文一文を丁寧に読むと噛めばかむほどに味わいを増す本のように思います。

[本▼▼▼▼▼]
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2007.06.01 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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