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THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ

矢作 俊彦

矢作俊彦の前作「ららら...」がよかったので、ハードボイルドとは知らずに読み始めました。
主人公の二村永爾に思い入れのある読者も多いらしいのですが、私はそれすら知りませんでした。
レイモンド・チャンドラーの「THE LONG GOODBYE(長いお別れ)」を読まずして「THE WRONG GOODBYE」を読むのは、楽しみが半減しているような気もします。
タイトルからしてオマージュであることは間違いないのだろうけど、その部分がよくわからないのは少々残念でした。

読み始めてはみたものの、登場人物が頭の中で入り組み何がなんだかさっぱりわからないと言う情けない状態。
一体何がおもしろくてみんな絶賛しているのだろうと思うこともしばしば。
一方で、ディテールがとてもよく書けているなぁとえらく感心もしましたが。

読み終わって感じるのは、主人公の生き方がなかなかかっこいいということ。
そう、ハードボイルドはこれにつきるということを今更ながら再認識した次第です。
これは、あたりまえの話ですよね。
なにせ、ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズぐらいしか読んだことがないもので...
二村永爾に極端な渋さも派手さもないのですが、日本人としてぎりぎりに気張ったかっこよさはとても好ましいバランスでした。
終わってみれば、日本人のハードボイルド小説としてなかなか完成度の高い作品でした。
ストーリーの社会性もそこそこのリアリティが感じられるし、ベトナムへの関心もいやがおうにも高まりました。
この物語の下地になっていると思われる「ベトコン・メモワール―解放された祖国を追われて」もそのうち読んでみようと思います。
加えて、アメリカの世界への関与の仕方の扱い方などもなかなか面白かったですね。
矢作俊彦の世界へ向けた目線も、この人を好きな理由なのかもしれないと思いました。

久しぶりに一週間ジャズに浸りきったハードボイルドな時間でした。
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2004.12.19 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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