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文学刑事サーズデイ・ネクスト2

ジャスパー フォード

時間も超えるし、本にも入るし、記憶にある人と会話する...
あと、どこに行ければ時空を制覇できたと言えるのか思いつかないほど。
それほどまでに自由に飛び回るサーズデイ・ネクスト。
こんな楽しく奔放無比な小説も珍しいのでは。
特に本を舞台に移動することに関しては、これでもかというほどに自由な発想が飛び交う。
その広がりは前作を軽く上回ってしまいました。
 本だけをつないだブックワールドとそこの犯罪を監視するジュリスフィクション(文学内務保安機関)の設定
 著者の不注意による物語の穴「ブループ・ホール」の扱い方 
 本の中に連絡を取れる「脚注電話」の発想
例をあげればきりがありません。
どれもこれも本好きにはたまらない設定ですね。

前回の話で一躍有名人となったサーズデイがテレビのトークショーに出るという導入からファンの心をがっちりとつかんでくれます。
今回は、シェークスピアの「カーディオ」の発見がされ、地球上の生物がピンクの物質になって破滅すると言い残して消える父親の言葉から物語りが始まります。
悪人役は、アシュロン・ヘイデーズの妹エイオーニス。
新たな敵として現われサーズデイの行く手を遮る彼女は偶然を操る能力を持つつわもの。
サ-ズデイは、ゴライアス社のシット=ハウスによって夫ランデン・パーク=レインの存在自体を2歳の時点で消され、ジャック・シットを「大鴉」から連れ戻すことを求められることに。
「文の門」を使わず、自らの力でブックジャンプ術を会得するために、その道の達人ミス・ナカジマを大阪に訪ね、そこでジュリスフィクション(文学内務保安機関)へ入り込むことに成功。
そして、「大いなる遺産」の満足邸(サティス)に住むミス・ハヴィシャムの弟子となる。
時空の移動にますます磨きがかかるというわけです。

このシリーズが好きなのは、時間や場所を移動するスリップ感覚や時間のズレの表現。
この感覚を一度味わうとなかなか抜け出せません。
加えて妙に人間臭い登場人物たちも魅力的。
とにかく最高のエンターテイメントです。
早くも三作目、四作目の翻訳を期待してしまいます。
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2004.12.11 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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