上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |

amazonへ

馬場 あき子

以前テレビ番組の対談で耳にした「秘すれば花」ということばに取りつかれて以来いつか読みたいと思っていた本です。ただ、原文での理解はできないので、解説のついたものを読んでみました。
『風姿花伝』は能を世界を確立した世阿弥の本。この本では『風姿花伝』に加えて『神儀云(しんぎいわく)』『奥義云(おうぎいわく)』『花修云(かしゅういわく)』『別紙口云(べっしくでん)』までも含めて解説しています。
『風姿花伝』は、能の家に秘事として伝えられていたもので、一般に公開されたのは明治41年だそうです。今この本を読めるようになったことの幸せを感じます。芸の極意をまとめたといえばそれまでですが、日本人の深層心理にも通じる意識や人生そのものに通じる考え方などなかなか奥深いものがあります。
これらをたかだか40才ぐらいまでに書き上げてしまった世阿弥の力には驚かされます。その歳にして人生を達観したかのようです。まさに40にして惑わずですね。何事も極めるということは人生にも通じるのでしょうね。   BOOK8
世阿弥に言わせると芸の基本は「声」と「身形(みなり)」にあるとなります。「童形(どうぎょう)」に幽玄の美しさはあるが、その美しさ移ろうもので、それでも舞台上で「花」として存在するためにはどうすべきかについて書かれています。咲くゆえに「花」であり、散るゆえに「花」であると。人の目放しがたく思わせる変化そのものこそ、不変の花の真理であることも説いています。すべては無常で変化することのみが不変の真理であると。
申楽の道を修する根本は「二曲三体」にあり、「二曲」とは「舞」と「音曲」、「三体」は「老体・女体・軍体」。物まねの基本になるのは人体のことだそうです。「物学条々」では、女・老人・直面(ひためん)・物狂(ものぐるい)・法師・修羅・神・鬼・唐事の九体について説明されています。
『風姿花伝』基本的には芸の道を極めるための心構えを説いた本とみるべきだと思います。「花」を例に出しまとめた言葉に芸の習得の難しさを感じ取ることはできます。もちろん、それは芸の世界にとどまることはなく人生にもそのまま当てはまるもの。努力を怠らず、自分を磨き続けることや移ろう時を見極めることの大切さなど。
世阿弥の言葉がくどくどとした説明でないこと自体も「秘すれば花」そのもののように感じます。こんなところにも多くを語る欧米文化と言葉少なく語る日本文化の違いを見る思いです。古き時代の日本のよさをいかに伝えるかはむずかしいことですが、伝承すべき価値として大切にしたいものです。

[本▼▼▼▼▽特盛]
スポンサーサイト

2007.04.28 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://slowfish.blog9.fc2.com/tb.php/1408-1f5723d0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。