上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |

男の始末

下斗米 伸夫

こういう形でアジアの冷戦時代をまとめた本はあまり見かけないのではないでしょうか。
それぐらい自分たちの目は欧米に向けられているという証だと思います。

内容は、アジアの冷戦構造は欧米の「国民国家体系」を前提したものとはまったく異なり、それ以前の「帝国」を前提にしたものであったといった見解。
要はかなり欧米に比べてかなり変則的であり、一般に論じられる冷戦の概念とは趣をことにするというわけです。
全体はソビエトと中国の関係であり、ソビエトの強い思い入れもなく、ヤルタ会談の意図しなかった方向へと進んでいく様子がよくわかります。
ソビエトとにとっては単に地政学的な目的のみで、社会主義化という考えははじまからなかったというのは意外でした。

スターリンが支持した蒋介石の中華民国(国民党)は、49年にはあっけなく毛沢東の共産党に破れ、北朝鮮もソビエトの単なる傀儡国家にすぎなかったようです。
フルシチョフによるスターリン批判がますます中国との関係を悪化させ、北朝鮮の離反を強めました。
現実主義の劉少奇 (りゅうしょうき)、小平(としょうへい)になってもソビエトとの関係は好転することはありませんでした。
アジアの連戦期にあって米ソ対立の構造は米中対立へと転換していきます。
本書を読むと、アジアにおける中国の存在というものがこれほどまでに大きなものであったかとあらためて感じます。

本書を通じてここ50年の変化を考えると、ASEANの共同体が経済圏を形成するのも北朝鮮と韓国が統一されるのもあしょど違和感を感じなくなるから不思議です。

少々残念なのは、東南アジアの話にあまり触れられていない点でしょうか。
是非とも後編として出版してもらいたいところ。
スポンサーサイト

2004.12.05 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://slowfish.blog9.fc2.com/tb.php/140-abca60e2

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。