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ジェフリー・フォード、貞奴、金原瑞人、谷垣暁美(翻訳)

独裁者ビロウの内面を具現化した理想形都市が崩壊。あらたに生まれたウィナウの入植地には眠り病が蔓延。これを解決する治療薬を探すために再び理想形都市へと向かうクレイ。彼を迎えたのは凶暴な人狼、そしてビロウの息子という魔物ミスリックス。眠り病の治療薬のあると言われるビロウのに記憶世界に足を踏み入れることに。そこで実在しないアノタインと3人の男と出会う。一望監視装置(パノプティコン)が見下ろす記憶世界でビロウの使命と私欲の入り乱れた冒険が始まる。

『白い果実』の続篇。前著は白い果実への興味が最高潮に達したまま終わった記憶があるのですが、その奇跡を発生させる白い果実に対する期待が思いのほか軽くいなされてしまったような感じ。その分が「記憶の書」の謎に変わるわけですが。美薬(純粋なる美)だけはなんとか前作の存在感を保っているかな。
クレイのダークヒーローとしての魅力も前作より薄れて、別人物になってしまったような感も。独善的で高圧な態度や残酷な性格も幽閉されてからすっかり丸くなってしまったような。第一作の前半にあった彼のダークな造形があまりに魅力的で忘れられないですね。もっとワルのままでいてほしかったなぁ。クレイに愛なんて似合わないでしょう。   BOOK2パイプ
ここまで書くとどうしようもない駄作のようですが、ジェフリー・フォードの摩訶不思議な想像力は依然魅力的で、自分が持ち得ないような奇妙な世界の創造はなかなか捨てがたい。「トッテコイ」や「優男」などの新しい奇怪なキャラクターも上出来。その様子を語るジェフリー・フォード節も健在です。この世界観を知ってしまうと美薬じゃないけど癖になってしまいますね。じっくりといつまでも浸っていた毒気を含んだ癒しの世界です。人間、多少の毒が心地よかったりしますからいけません。
次の作品で完結するのだと思いますが、変にまとまらず、見たことも聞いたこともないようなブラックホールのような未知の世界に向かってほしいものです。
前作も緑のヴェールに包まれたアーラとの別れあたりなどもう一度読みたいですね。

273
薄れていく記憶の中で、私は自らの記憶の中にいて記憶を貯えるために想像された場所について記憶を作っている自分、しかもその隣には記憶女が横たわっていて、彼女の中には記憶のもたらす痛みを和らげるために発明された薬の製法の記憶が貯えられている。という妙にややこしい図式を思い描いていた。私は疲れ果てていた。やがて全てが緑のヴェールの夢の中に溶けていった。

[本▼▼▼▼▽]
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2007.04.01 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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