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山本 美香

この方の書く文章は、不必要な感情移入がない分とても身近に感じられる。変な気負いのようなものがないのも、現実を冷静に見ているからこそできることなのかもしれない。厳しい現実を撮った写真にもいい意味で事実以外のなにも感じることがない。感情は読者側が持てばいいとでもいうように。ただし、彼女の使命感と現地に寄せるやさしさは行間からじわじわと伝わってくる。
ジャーナリズム世界に帰属していれば、売らんかなという気持ちが見え隠れすることもありそうなものだけど、そういったものもあまり感じられない。ここで紹介された話のひとつひとつを一冊ずつの本にして出版してもいいぐらいの体験をしているに違いないはずなのに。そういう欲を感じさせない。
偏狭なタリバン政権末期にあったアフガニスタン、反政府ゲリラLRA「神の抵抗軍」が暗躍するウガンダ共和国、ロシアの都合で独立を阻まれ破壊されつくすチェチェン、アルバニア人(イスラム教徒)とセルビア人(キリスト教徒)の確執が深まるコソボ、米軍の素行の悪さに苛立つイラク。
子供に親を殺させたり、殺害した人の肉を食べさせ、戻るところをなくした上で兵士として使う冷酷なLRA「神の抵抗軍」の話などは聞くに堪えない。
すでに知られている話が多いものの、読み終わると日本の平和が当たり前ではないことに気づかされる。普通に生きることのできない困難な状況と、それでも今を淡々と生き続ける傷ついた人々。彼女の目がその現実を伝えてくれる。そして彼女の意識が現地の人に近いことに驚く。それは、女性だからこそできる何かなのかもしれない。論評ではなく共感のようなものか。戦争をヴァーチャルとは違ったものとして、ごく身近なできごとのように感じさせてくれる。異常だけれど特殊ではなく思うことが実はとても大切なことなのかもしれないと思い至る。
写真に写る著者本人の現地での姿が私たちと紛争地の距離を縮めてくれる。

[本▼▼▼▼▽大盛]
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2007.03.21 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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