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安田 喜憲

わが意を得たりの一冊でした。ここ数年来ずっと感じているところを自分に成り代わって吐露してもらっているような気分になれました。
著者は一面に片寄り、少々断定的でもある印象から、アニミズム原理主義者とまで言われて煙たがられることもあるようですが、自己主張なのであればこの程度のことは言って許されるべきなのかな。7割が共感できればそれが極端であっても痛快なものです。
カール・ヤスパースやS・N・アイゼンシュタットの文明論は、アニミズムを指して現世的なため不完全で劣悪なものと考え、超越的秩序の宗教(一神教)を持つもののみを文明としたのだそうです。一神教が多神教に勝るという考え方はこのあたりから出てきたのかもしれません。
その超越的な宗教を最初につくったのが砂漠の民。砂丘という生命の存在を感じられないところで生きる価値を見出すために、命の交信をするために天空を仰ぎ超越的な宗教を見出したといいます。それに対して現世的な秩序の宗教を生み出したのが森の民だと。森には生命があふれているわけで、見えない超越的なものにすがる必要がなかったということのようです。
また、水を共有する水田で生活を営む稲作漁撈(ぎょろう)民に対し、畑作牧畜民は共生の発想よりも力と闘争を基本とする民族。著者は現代にあっても畑作牧畜民は、S・ハンチントンの『文明の衝突』のような対立思想にすがっていると批判の矛を収めません。
物語型クロマニョン人(超越的秩序を形而上学・論理学的に構築する)に駆逐された図鑑型ネアンデルタール人(あるがままの自然を理解しようとする)の例もおもしろいですね。超越的秩序の文明の最大の問題は、物語をつくり神のもとに人間が犠牲(命を捧げ、命を奪うことの容認)となることをいとわないところに尽きると言い切ります。それは、生命論理や地球論理よりも市場原理という人間中心主義の理論にもつながると憂いながら。
現代の日本は、韓国のようにキリスト教国家にならなかったし、中国のようにマルクス主義にもならなかった、かといってアニミズムにもよりどころを見出せていない。著者の言う通り空白の時代にあるのかもしれません。キリスト教国家にもマルクス主義国家にもならなかった事実は無意識のうちにアニミズムを意識しているいるのかもしれないないですね。アニミズムは一神教同士の対立のような関係にはならないはずなので、行き詰る世界を前に、積極的に西欧文明の対立軸として出していいような気がしてなりません。現在する自然と調和して生きることが大切ではないでしょうか。
著者の結論として、「森と水の文明」のアニミズムは「利他の心」や「慈悲の心」を生み出すとまとめます。日本と同じような価値を持つ東南アジアやインドとともに新しい世界秩序を示すべきだとする主張に強く共感させられました。

188
アニミズムの神を殺したがゆえに、魔女裁判をしなければならなくなった。アニミズムの神々を殺したがゆえに天国と地獄が必要になった。ジハード(聖戦)のために一身をなげうてば、天国に行けるという枠組みが必要になったのではないか。共産主義によってアニミズムの神々の崇拝を禁止したために、中国人は金の亡者にならざるをえなくなった。アミニズムの神々を殺したがゆえに、復習の連鎖を断ち切れないのである。そして、アニミズムの神々を殺したがゆえに現代の環境問題も起こった。もしもアニミズムの神々を殺さなければ、魔女裁判も必要なく、地球環境問題も起こらなかったし、今日のイスラエルとパレスチナの戦争、キリスト教とイスラム教の対立もなかったに違いない。

[本▼▼▼▼▼]
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2007.03.18 | 本  | トラックバック(0) | コメント(3) |

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2007.03.18 22:31  | # [ 編集 ]

junikeさん、ご指摘ありがとうございます。
おはずかしい。ずっと言っているうちにわからなくなって、まちがったまま書いてしまったようです。さっそく修正しました。
誤字や打ちまちがいが平気な性格がよくないですね(笑)

2007.03.19 20:59 URL | uota #ogz9v/Dw [ 編集 ]

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2007.03.20 06:56  | # [ 編集 ]












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