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鈴村 和成

日野啓三の意識を実際に辿った軌跡を追いながら追体験していくような本です。日野啓三の熱心な読者にとってはこの本にデジャブ(既視感)を感じるのだと思いますが、『抱擁』、『夢の島』あたりを発売当時読んだきりの私にとっては、日野啓三の記憶に詩人鈴村和成さんの手を借りながら迷い込んでいくような入子体験でした。
トルコのカッパドキアに始まり、幼少時代を過ごした韓国の密陽(ミリヤン)、読売新聞の記者だったころに体験したベトナム、ここではマルグリット・デュラスのヤ・ジンの生活も重なります。さらに西湖、西安、タクラマカン砂漠ホータンなどの中国。辺境をさまよい自分と向き合うようなロードノベルのようでありました。読めば読むほどに同じ場所を訪ねたくなるような、それも本に記述された人工の極限にある自然の空気や感情を味わいたくなるような本です。
『ユーラシアの風景』がそうであったように、この本も記憶の断片がモノクロの写真として切り取られ紹介されています。中には日野啓三と同じ場所を撮ったものもあるという念の入れよう。同じ風景を撮る行為に不思議な重なりを感じさせられます。この本でたびたび名前の出るコンタックスのレンズ群を日野啓三も使っていたのでしょうか。プラナーの85mmF1.4を愛用していたのは本書でも触れられています。
鈴村和成さんの本を読むのは初めてですが、実際の土地・風景を他者の感情を紐解きながら辿っていくというスタイルはなかなか新鮮な体験でした。日野啓三、鈴村和成、そして私の3本の感情の糸がひとつに紡がれていくような...そんな本です。日野啓三の愛聴したというHarold Budd & Brian Enoの『The Pearl』ととものその世界感に酔いました。

<覚え>
砂丘が動くように
断崖の年
台風の目

ユーラシアの風景

[本▼▼▼▼▽]
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2007.01.27 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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