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車谷 長吉

今や絶滅種となりつつある私小説。昔の小説の香りをたっぷり楽しめる。それも底辺に暮らす人たちの息遣いを感じるもの。
病気で死んだ豚や鶏の臓物をを茹だるようなアパートの一室で串に刺し続ける「私」。東京でのサラリーマン生活に馴染めず、自分を失いかけていることに恐れを感じる。生きることにさしたる目的も見出せず職を捨て尼ヶ崎駅近くの老朽アパートに逃げ込むように暮らすことに。
しかし、こういう世界にこそ人の真実があるように思えてしまうのはどうしてだろう。日ごろの生活に作り物の臭いを感じてしまうほどに生々しい。上辺を取り繕ったような中身のない日常が主人公生島与一に重なる。これは思いのほか重症かも(笑)
生まれ育ったところで関西弁が多く使われていたこともあり、著者の関西弁へのこだわりがひどく心地よい。最近忘れかけていた言葉を楽しんでいるうちに小説世界にどっぷりつかってしまった。
読み終われば思ったほど後をひくような重苦しさのない話であったけれど、著者の過去に重なる物語がひとつの生き方を見せてくれているようでおもしろく読んだ。ストーリーや設定そのものよりも著者のこだわる「ことば」や「思い」がこの小説の面白みかもしれない。

[本▼▼▼▼▽汁だく]
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2006.12.17 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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