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堀江 敏幸

都電荒川線の通る王子に日当たりの悪い居を構えた時間給講師の主人公。彼の日常生活で触れ合う人たちや本を読みながら考えることが書かれる。効率ばかりに目を向けられている世界には無縁の時間の淀みを感じる。
「消えたもの」と「残されたもの」、「待つこと」と「運動すること」、「交流」と「内向」などの対比。あるものをもう一方から見ることの不思議。淀みの中にもうひとつの真実が人知れず堆積しているかのよう。主人公と登場人物たちが主従の関係ではなく、対等の関係で描かれているような感じもいい。そこには自分を他者から見ているようないごこちのよさがある。皆と同じように滋養たっぷりの淀みに身体を委ねる生活。
一見、日常を淡々と書いているように見えてしまうのだけど、とてもとても大切なものが秘められている。こういものを感じられることに人生の豊かさを感じる。
「変わらないでいたことが結果としてえらく前向きだったと後からわかってくるような暮らしを送るのが難しいんでな」
とてもいい小説ですね。もじったという「いつか王子様」をビル・エバンスで聴きながら。みんなシンデレラ。

<覚え>
島村利正
岡本綺堂
瀧井孝作『父』
徳田秋声

[本▼▼▼▼▽汁だく]
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2006.12.09 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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