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沢木 耕太郎

「60年代安保」という危機の時代を「所得倍増」というスローガンで蜜月の関係に転じさせた池田勇人。実際には、奇病の落葉性天疱瘡で命を落としかけた池田勇人、結核をわずらいながら設備投資に成長の鍵を見出したエコノミスト下村治、満州国の建設の夢破れシベリア抑留を経験、後に宏池会事務局長となって裏方に徹した田村敏雄の敗者3人組の辿った奇跡への道のりを描く物語。
いずれもが大蔵省出身であり敗者としての経験をもつ。その敗者三人組による楽観主義とも取れるようなビジョンと政策により、日本の経済が未曾有の経済成長を遂げることになる。
中村伊一郎のエッセイに読売新聞の整理部がつけたタイトル「賃金二倍」が「所得倍増」につながっていく話などはおもしろい。一時は吉田学校に批判的な福田赳夫に奪われ岸内閣で準備された「所得倍増」計画も、結果的に池田勇人が総理になったときに実行されるという歴史のいたずらもあったという。
「安保改定」で国内が騒乱状態にあるときにも、貿易の「自由化」に対応し10年先の国家戦略となる「自由化計画大綱」を閣議決定するなど、常に日本の経済成長を支え続けたという志の高さは学ぶべきことが多くあります。
文芸春秋に掲載され高い評価を受けていたものが単行本となったわけですが、期待しすぎもあって少々肩透かしの感も。発表当時、日本最高の成功物語が不景気な日本を元気付けたのかなと勘ぐってもしまいます。沢木耕太郎も若かったせいか人生の機微を書きつくしているとはいいがたいですね。史実を詳細に調べまとめたような印象もぬぐえません。テーマが歴史のうねりを感じさせるものだけにちょっと残念。今これをテーマに書けば格段によくなったでしょうね。
そろそろ寝かせてある『昭和史』を読み始めようかと思います。

[本▼▼▼▽▽大盛]
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2006.11.14 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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