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山田 吉彦

おもしろい本だった
島国育ちの日本人は、国境意識というものがいかに希薄かよくわかる。
我ながらあきれるほどの無関心さだ。
掲載されている地図を見ると、日本のおかれている状況が手に取るようにわかる。
国土面積で世界第59位の国が漁業管理権や海洋資源の調査採掘権などをもつ排他的経済水域の広さでみると第6位になる。
さらに、その海域には6952もの島がある。
これを海洋国家と言わずしてなんだろう。

1997年に発行した国連海洋法条約によれば領海を12海里、排他的経済水域を200海里としている。
現在145ヶ国が批准しているが、自国の企業利益を優先するアメリカは批准していない。
そして、現在の日本の領土はサンフランシスコ条約で認められたものというのが本書のとる立場。
ただ、サンフランシスコ条約は韓国も中国もソビエトも締結国とはなっていない。
そして、これらの国々との最近の国境紛争の多くは資源がらみで、次に軍事問題も見え隠れするというところ。
最近起きた事件だけでも、中国の原子力潜水艦による領海侵犯や排他的経済水域での海洋調査、北朝鮮の工作船事件、韓国の不法漁船事件、中国活動家による島への上陸など。
通読して感じるのは、国民意識の弱い国の領海は侵犯され続けるだろうということ。
日本はあまりにも国境に対して無頓着すぎるのだ。

今にも波にさらわれてなくなりそうなほど小さな沖ノ鳥島(最南端)はチタン製の防御壁により覆われている。
ハワイやハノイより南に位置するというのだから驚き。
その維持管理に毎年2億円の投資がされている。
温暖化による海面上昇による水没を避けるための自然治癒が考えられているという。

埼玉県の民間人が島のいくつかを所有する石垣島(最西端は与那国島)。
中台貿易を実質的に仲介するクリアランス船が日本国の通関証明の印鑑をもらうだけの経由地として立ち寄る島。
回遊するホンマグロをもとめ確信犯として領海侵犯をする台湾漁船。

尖閣諸島はサンフランシスコ条約で日本の土地としてアメリカに信託統治されていた。
1969年、国連のアジア極東経済委員会調査により油田の埋蔵が発表されてから、中国、台湾の領有権の主張が始まる。
その後は両国の活動家が度々その近海に出没し領有を主張。
これまで他国の領有が一度もなかった島が突如利権争いの只中に置かれることになった。

古来より日本の玄関として侵犯の危機にさらされ続けた対馬。
現在は、韓国の不法操業漁船と戦う。

韓国の同名の竹島と話をすりかえられ、実質的に領有権を奪われつつある竹島。
日本が正式に領有していた41年を韓国による実効支配がすでに上回ってしまった。
国民の無関心と外交の無策が竹島を渡すことになっている。

ポツダム宣言後、ソビエト軍の侵攻により実効支配されたままの択捉島(最北端)、国後島、色丹島、歯舞諸島の北方四島。
60年の間に、島を追われた17291人のうちおよそ半分がなくなっている。
ソビエト崩壊後、択捉島以外は財政の貧窮や電力不安定などから離島者が続く。
日本固有の領土であるとするために民間レベルで結ばれる漁業協定。
その遵守を強要される日本とルールを無視するロシア船。

八ヶ岳中央高原で読了。

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(↑54億円かけて引き揚げられた北朝鮮の不審船 クリックで拡大)
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2005.05.01 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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