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アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ

ここにきてチェーホフの人気が高まっているのに何か理由があるのでしょうか。没後100周年でチェーホフを再認識した人が多いのかな。そういう私もその一人ですが。
この本はほんの数ページで人と人が駆け引きしたり、思い違いをしたりする生活の一場面を切り取って見せたものです。
いずれも人間の性(さが)ともいえるものをデフォルメしているので誰であれ心当たりのある場面ばかりです。どの人もなにかしら勝手で自分よがりなものを持っていて、そこがおもしろいのかなと思います。人間を笑うなら尽きない欲望とか自尊心ということなのかもしれないですね。そんなものに本来の価値はないと知りながらもそこにとらわれてしまうばかばかしさでしょうか。それがなんとも滑稽でかわいいわけですが。
この短篇でチェーホフの新たな楽しみを発見したという人もいるようですが、私はやはり有名な戯曲のほうがおもしろいと思います。でも、傑作の下敷きにこの本にみられるユーモアがあることを知ると表向きシリアスな名作がもっと楽しめるかな。
人間性の不足した現代にあっては、チェーホフの書く人たちのなさけないほどの人間臭さに安らぎを感じたりもするかもしれません。ここには人間不在のデジタルな世界はないですから。

[本▼▼▼▼▽]
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2006.10.03 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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