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小野 正嗣

前作の『にぎやかな湾に背負われた船』とはまったく異なった小説です。いい意味で期待を裏切られた作品でした。あえて共通点をあげるならば、つかみ所のない会話や描写。これが前作よりいっそう多くなっています。
異国にある森のはずれに3人家族が暮らしているという設定なのですが、とても奇妙な世界が現れてきます。幻聴やら幻覚のようなものにあふれ、子供のころ見る悪い夢のようでもあり、大人の夢想のようでもあり、疲れからくる単なる幻覚のようでもあるという印象です。こういってしまうととても現実離れしたドラッグ小説のように感じられるかもしれませんが、底流を流れているところはとても日常的な世界であるところがおもしろくもあります。日常をぎりぎりのところまで抽象化したとでも言えばいいのでしょうか。そう考えると小説の可能性を追求した、かなり意欲的な作品と言えるのかもしれません。
次の子供が生れる刹那にある夫の感情の揺らぎをひとつの客観世界に置き換えて言い表しているようなのですが、これまでに出会ったことのないオリジナリティにあふれるものです。
客観世界にある得たいの知れないなにかと登場人物が境目もなく溶け込んでゆくようすが、読み進むにつれて心地よいものに変わっていきます。
著者自身のパリ第8大学への留学時に感じた異国人としての不安感を小説にしたと思うとわかりやすくなるような気もします。

[本▼▼▼▼▽特盛]
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2006.08.05 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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