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保坂 和志

この本はずっと気になっている保坂和志さんが書いた雑文集です。これまでも小説の書き方として書かれてきたことが、同じテイストで生き方や世の中のあり方についても説明されていました。
既存のロジックに頼らず自分の生き様や価値観を語る姿勢にとても共感を感じます。ときどき橋本治の語り口に近いものも感じます。何が共通するのか明確ではないのですが、自分の寄って立つ思考を代弁してくれているような気さえします。
若い人に共感を感じる人が多いというのも、この本を読んでよくわかりました。現代社会の病巣に手を差し伸べる救世主のような感もありますね。
本書も最初のうちは散漫な駄文のように感じていたものが、後半になるにつれて全体像として薄ぼんやりで見えてくるようで、ここでも保坂ワールドを体感することになりました。
本の中にも書かれていますが、思考を既存のテンプレートで体系化することを拒み、自らの言葉で語らざるをえなかった人生体験が独特のオリジナリティを生み出しているようです。

186
表現行為を支えるのが<確かなもの>ではなくて<あやふやさ><よるべなさ>ではないかというのを直感的に感じていた。絵でも音楽でも小説でも、基盤と言えるようなものはなく、なんとも不安定で、パフォーマンス(行為)の一回性の上にかろうじて成り立っている。そういう本質的なことは学校ではめったに教えてもらえないが、注意深くセしいていれば必ずそれがわかるようになる。

196
形而上学とはメタフィジック、つまり「形を超えた究極的なこと」をあつかう学問という意味だ。しかし、人間は形のあるものしか考えの対象とすることができない。矛盾しているようだけど、人間は形のあるものを通じて形而上学を考えるようにできている。


まだまだ途上にあって、その途上をよしとしている保坂さんの世界をこれからもいっしょに楽しんでいきたいと思います。そこにどんな世界が見えてくるのかどうかは別にして、氏の言うプロセスを楽したいものです。そこには途方に暮れることの楽しみがたくさんありそうです。

[本▼▼▼▼▽大盛]

<覚え>
『ネオリベ現代生活批判』
『モーセと一神教』フロイト
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2006.08.02 | 本  | トラックバック(1) | コメント(4) |

お久しぶりです。
ぼくもこの本がずっと気になっていました。
▼4つに大盛とは高評価ですね。
書店でパラパラっと見た感じではただの自分についてのエッセイのように見えましたが、後半になってくると上に引用したようなことが出てくるのでしょうか。
1つお聞きしたいのが帯にある「「希望」なんて、なくたっていい」は編集部が勝手につけたコピーなのか本文中にある言葉なのかわかりませんが、このコピーの意味と本書の中身はどんな関係にあるのでしょうか。
もし教えていただけると嬉しいです。
(ネタバレ的にまずければできる範囲でも結構です)
よろしくお願いします。

2006.08.02 11:13 URL | junike #- [ 編集 ]

こんにちは。お久しぶりです。
この本は後半になるほどいいですよ。
ここで言う「希望」は予定調和的な目標や成果のようなものですね。誰かに押し付けられて自分のものだと思わされているような夢に縛られないほうがいいよというような話です。
決められた結末なんてなくて、日々や一瞬のできごとがいつか何かを生み出すかもしれない。そのために自分のあるがままの姿を大切にということですね。今このときを大切にかな。
自分勝手にというわけではないですが、社会構造に縛られている身体を解きほぐしてくれるような感じでしょうか。今風に言うとプロセス重視ともいえます。
参考になりますか?

2006.08.02 22:18 URL | uota #ogz9v/Dw [ 編集 ]

ありがとうございます。
ほとんどuotaさんのコメントでなんとなくわかった気になってしまいました。
というのも過去に読んだ複数の本にも似たようなことが書かれてあったので言いたいことがわかるような気がするということです。
ただ、「社会構造に縛られている身体を解きほぐしてくれる」感覚というのは言葉ではわかってもピンと来ないのでこればかりは読んでみないとわからないでしょうね。
読んでみようかどうかは、う~ん、、微妙です。もう一度書店で見てみたいです。

2006.08.03 09:47 URL | junike #- [ 編集 ]

参考にしていただければ幸いです。
連載を集めた本なので、すべてが説明したようなものとも言い切れないのですが、根底に流れているのはそういうものだと思います。
ただ、タイトルも帯も少し大げさというかネガティブすぎる感じですね。

2006.08.04 06:53 URL | uota #ogz9v/Dw [ 編集 ]












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