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スチュアート・ダイベック

シカゴの下町に暮らす少年の話。この時代にシカゴがどのようであったかはよくわかりませんが、それを知らなくても当時の情景が目に浮かぶような連作短編です。連作ながらそれぞれのテーマや色合いが異なるので、別の独立したものとしても楽しむこともできます。どのページを開いて読み始めてもいいほど充実しています。
登場人物たちは、日本人の私たちとは違う生活をしているわけですが、まるで自分が同郷でいっしょに成長したかのような錯覚にとらわれるほど共感を感じます。僕ペリーと弟のミック、ミュージシャンになりたかったレフティおじさんなどとの関係が暖かなまなざしで描きこまれています。それがスチュアート・ダイベックのうまさによるものなのか翻訳者の柴田さんによるところなのか定かではありませんが、自分自身の青春グラフィティと勘違いしてしまうほど普遍的な少年時代が描かれているのは間違いないようです。なつかしくてそこに何度も戻りたくなるような雰囲気を持った本です。丁寧に書かれた情景描写には無駄がなく、一行一行を噛み締めながら読みました。
ただ、音楽の歌詞でもある『僕はマゼランと旅した』は表紙の装丁とともに読後に本書に持つイメージとは少し異なるように思います。彼らの青春時代は大海原に向かうようなものではなく、シカゴの小さな下町を子供時代にだけ見える小宇宙に見立てたようなものです。
息をのむ傑作であるかどうかは別としても、だれしもがなつかしく感じることのできる艶やかな少年時代を思い出させてくれます。『バレンタイン』で少年時代を書いた柴田元幸さんが特別な思い入れを持ってしまう気持ちもわからないではないですね。
じっくりと、繰り返し読んでも楽しい一冊。次は『シカゴ育ち』が本棚で控えています。

[本▼▼▼▼▼]
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2006.07.09 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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