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辻原 登

辻原登の書く小説は、どの時代の何をテーマするかの如何に関わらずおもしろい。いつでも極上のエンターエイメントを楽しませてくれる。この人の小説の何がそう感じさせるのかはわからないけど、とにかく楽しめる。好きな小説家をあげろと言われれば、まずは辻原登の名前をあげると思う。
時代は江戸中期、1761年の桜の時期から菊咲くころまでの半年間。桃園天皇崩御後の天皇不在で将軍家重が家治に将軍職を譲ったころ。江戸時代の公家と幕府と商人が三つ巴となって繰り広げる覇権争いを描いたもの。米と武力の時代から貨幣と経済の時代へと転換する様子をみごとなドラマに仕立てあげている。田沼意次がこの時代の寵児として描かれるところがこの物語の独自の視点です。
物語は桜のころ、青綺門院(舎子)とその内親王智子(最後の女性天皇)、京都・伏見湊で組を営む北風荘次郎の娘菊姫の雛遊びにはじまる。田沼意次の命を受けた青井三保が大阪の地に送り込まれるところから不穏な空気が。これに天皇への拝謁を求める朝鮮の使者や裏経済を牛耳る鴻池や北風組がからみ、背後には織豊時代の陰もちらつく。
登場人物の姿がとても伸びやかに描かれていて、この時代の匂い立つような空気が心地よく感じられます。当時の政治や文化を彩る史実が細やかに入れ込まれていながら、娯楽作品としての想像世界も楽しく繰り広げられているところにどんどん引き込まれていきます。
ロマンス、スパイ、政治、経済、芸術などの要素がこれでもかというほどにびっしりと織り込まれた、めくるめく絵巻物を眺めているようです。
残念なのは新聞連載された小説の常ですが、ストーリーに緩急がなく性急に展開しすぎるところでしょうか。

[本▼▼▼▼▽]
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2006.06.25 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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