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青沼 陽一郎

終戦後、現地に残った日本人兵士の言葉を聞き取りまとめた本。著者が知るかぎりの14人の元日本兵の肉声が収められています。彼らがどういう思いをもって残留することを決意したのか。祖国(日本)を持たないもの、侵略国から徴兵されたもの、逃亡・離隊への懲罰を恐れたもの、家族から帰国を拒否されたもの、引き揚げ船への攻撃を恐れたもの、ありもしない風潮にまどわされたもの、終戦時におきた動乱がそれぞれの言葉で語られています。とくに前半にまとめられている補給路を断たれたインパール作戦(実際にはその一部であったコミマ攻略)に関わっていた人たちの声はとても生なましく、聞くに忍びないものがあります。
敵兵を「敵さん」と「さん」づけして呼ぶ残留兵の人たち。この「さん」には、物量に対して精神で上回ろうとした東条英機の言葉に対する無意識の懐疑が含まれてるようにさえ感じられます。捕虜になることを名誉とし、生きて帰れば賞賛される欧米兵と、死ぬことのみを迫られ自害のための手榴弾を持たされた日本兵にはあまりに大きな隔たりがあります。これが終戦を迎えた多くの日本兵の不幸を招いたのだと思うと胸に迫るものがあります。
日々の戦況から敗戦を強く感じていたタイ、ミヤンマーの日本兵と余力を十分に残していたインドネシアの日本兵に多少の違いがあるにしても、玉音放送を聴くに至って、いずれにおいても発狂したものや自決したものが多くいたといいます。良しにつけ悪しきにつけ、「生きて虜囚の辱めを受けず」という言葉を支えに、戦い死ぬことのみを生きがいにした人たちの慙愧の念はいかほどだったか想像に余りあるものです。20歳そこそこで軍隊に入った若者に戦争のない世界を思い描くことは到底無理だったでしょう。
生き証人といえる14人の言葉は机上論では語りつくせない真実を伝える声です。

[本▼▼▼▼▽]
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2006.11.12 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |












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