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星野智幸の書く物語の設定は幻想小説に近いようでもあり、シュールでもあり、リアリスティックでもある。
似たような作家をちょっと思い出せない。トテモオリジナリティのある人だと感じる。
今回も、途中から星野ワールドに引き込まれると、もうとてもじゃないけど抜け出せない物語世界にどっぷり浸ってしまう。
もともと、俺俺詐欺から題材を得ているのだけど、現代社会の若者たちを見事に描いているように感じる。
俺は一人称であるはずが他人称との境目がわからなくなり、複数の人の中を人格が行き来しているうちに自分が誰なのかわからなくなる。
自立とか個性とか主体性というのもがあるのかないのかを明確にしろと突きつけられているように感じる。
でも、そこに明快な回答もない現代の世界そのもの。
俺俺で発したものが、すべて自分にふりかかる。すばらしいストーリーテラーだと思います。
実はこれは私たちの生活に一番近いところにあるホラーだと思うとこれ以上に怖いものもないですね。

[本★★★★★]
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2010.10.11 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |