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クリストファー・プリースト (古沢嘉通訳)

お手上げです。ここまで理解不能だった小説も久しぶり。大森さんの解説を読んでもなお消化不良ぎみ。
ところどころそんな感じだったと思うところはあるものの、ここまで分岐して前後していくとその構造を追うだけで手一杯。それでもわからなくなるのだからこれは始末が悪いです。時間をかけないで一気に読むのが肝要なのかもしれませんね。平易な文章に油断して双子の入れ替わりなどを想定してしまってはだめです。それは巧妙に仕掛けられた罠です。
ミステリーや歴史改変についてはもともとそれほど強くないので、ウィンストン・チャーチルやらルドルフ・ヘスやらがやることに関心を持ちきれなかったのもいけなかったかな。
J・L・ソウヤーの同名双子が主人公なんですが、片やジェイコブ・ルーカス・ソウヤー=通称、JL、ジャック、片やジョウゼフ・レナード・ソウヤー=通称、ジョー。前者が軍人で後者が赤十字社員という道を歩む思想的には相容れない兄弟。でも、そんなことも結果としてはどうでもよくて、実世界で双子が異なる人生を歩むのと同じように、異なる歴史がどちらが主ということなく流れていくというところが読みどころなわけです。ただ、どこで分岐しているのかが非常につかみづらくなっていて、読み手の詳細な記憶を試されているようでもあります。とくに時間軸をうまく読み分けないと一見同じ歴史のようにさえ見えるところがやっかいです。読み終わって目次の時間軸を見ればなるほどとは思うわけですが、そこまで気が回らないとやっかいなことになります。
まるで二つのそっくりなモザイク絵画をいっしょ混ぜ合わせたものを組み立てているようなものですね。

-以下もしかするとネタバレ?-

両者が愛するビルギットが二つの歴史を結びつけるハブのような役割を果たしています。子供はそれぞれの歴史ごとにアンジェラとスチュワートをもうけていて、会うはずのないこの二人の遭遇がオチといえばオチなわけです。
構造は悪くないし、ねじれ具合もよいのですが、細部にわたってあまりにひねりすぎなのと、青春、恋愛、歴史改変、過去現代などがてんこ盛りすぎなのが残念。主人公の記録をはじめ、いろいろな文献が次々と出てくるのもどうでしょう。ちょっとやりすぎの感も。
難解プロット好きの方にはかなりおすすめの作品ですが、油断をすると読み終わっても頭をひねる大作です。

[本▼▼▼▼▽大盛]
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2007.06.23 | 本  | トラックバック(0) | コメント(3) |

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