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安部和重

12月上旬発売予定のものを先読み。芥川賞受賞作品で肩透かしをくらったので、口直しの一作。
いつもながらの、なんとも言えない独特の世界です。うわべの世界に隠蔽された薄気味悪い現実が常に後ろに横たわっているような感じでしょうか。その裏に潜む現実を知りたくて読み進むわけですが、人物描写のうまさもあってとてもおもしろく読めました。
とくに女性二人兄弟のやりとりは、決して気持ちのいいものではないのですが、屈折した関係がとてもよく描けていると思います。ほんとうの人間関係が希薄になっている時代をとてもおもしいフィクションにまとめてあります。こういう話に共感する人は多いのではないでしょうか。イジメ、携帯、テロといった時代を象徴するものがみごとに昇華されている話だと思います。
小説をあまり読まない読者にも結構楽しんでもらえそうな秀作だと感じました。さすがに芥川賞作家の書くライトノベルは奥行きが深い。欲を言えば前半と後半のつながりがもう少しスムーズであればというところかな。

[本▼▼▼▼▽]
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2006.11.09 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |