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原 彬久

明治、大正、昭和は日本にとって激動の時代。明日も見えないまま闇の中を駆け抜けた。そこには、数多の魅力的な人物が生きた。その最後を締めくくった一人が、吉田茂だと思う。
その後の時代は、彼らの功績を引き継いできただけではないかとさえ思える。戦後を終え新しい時代を考えなければならない今、当時を知ることは日本の今の立ち位置を考える礎になると思う。
この本のサブタイトルになっている「尊皇の政治家」という言葉からはあまりいいイメージを持たなかったけれど、この本を読んで吉田茂の生き様をあらためて見直した。戦争に向けた無謀な軍部の行動に異を唱え、日本の共産化を抑止するために、敵国であったアメリカと手を組み、不戦の憲法を受け入れるとともに天皇制を残させた判断と行動。外交官として磨いた国際性と幼少のころから鍛えられた政治的な大局観のなせる業と感じる。安保の是非や尊王というひとつひとつに対する賛否はあると思うけど、全体として見たときに日本の敗戦後の高度成長を実現していく上で的確な判断をしていたように思う。私利私欲にとらわれることなく憂国の思いだけから行動した姿に感動すら覚える。
ワンマン宰相と言われることも多いが、その生き方に学ぶことも多い。小泉首相にも性格的に似たところや吉田茂を意識しているのではと思えるところやもあるけど、器の大きさは比較にならない。本物とイミテーションの違いほどに感じる。改革を目的とするだけでなく、そろそろ明解な国のビジョンを示してもらいたいもの。
改憲や財政改革論議もますます白熱していくだろうけど、日本の本当の課題はどこにあり、何を選択していくべきなのかをじっくり考えてみたい。

[本▼▼▼▼▽]

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2005.12.29 | 本  | トラックバック(0) | コメント(2) |