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加藤 幹郎

ヒッチコックの映画は全部見てもいいのではないかと思いえるほど好きです。
何がそう思わせるのかわからないままだったのですが、この本を読んで理由がちょっとわかったような気がしました。
著者が二重のミステリーと呼ぶ、「外見と内実の乖離」がこの本のすべてです。
それを明確に言っている評論はこれまでないとのことです。
『定本 映画術―ヒッチコック・トリュフォー』の中で、あのトリュフォーすらその点に気づかず、ヒッチコックに誤った同意を取っているのだとか。
それはヒッチコックがトリュフォーに敬意を評して、本意を濁してしまったのだという見方もできるのだといいます。

著者の言わんとすることがすごく腑に落ちてきもちいい本でした。
それで、「外見と内実の乖離」って一体なんなんだということになるわけですが、これを言ってしまうとこの本を読む必要がなくなってしまうので内緒です。
いずれにしても、それが意図的でない場合も含めて、あえて映画の登場人物と同一の視点に立たない鑑賞者としての目線を持つことは、映画をもっと深く楽しむ方法なのかもしれません。
映画のストーリーは製作から離れ、鑑賞者にゆだねられるべきものかもしれないという論旨はなかなか衝撃的でした。
ヒッチコックファンの方は是非ご一読をお薦めします。
ただし、映画によっては、ネタバレもありますのでご注意を。

この本を読んで、『裏窓』をまた見てしまいました。
映画って思いのほかいろいろな見方ができるものなんですね。

[本▼▼▼▽▽]
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2005.08.23 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |