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ピアニスト

エルフリーデ・イェリネク

親戚とも距離を置き、ピアニストとしての娘の才能に賭ける母親。
そして、ピアノ教師としてその母親のもとで歪な生活を強いられるエリカ・コーフート。
期待と現実、子を支配する母親と自立できない娘の倒錯した生活。
そんなエリカに生徒となったヴァルダー・クレマー青年が関心を寄せ始める。
エリカの心は少しずつ開かれる始めるが...

これが子供の話ならまだしも、エリカはすでに30代後半。
にもかかわらず性的に閉ざされ孤立した世界にしがみつく。
「したい気分」ほどの抽象的表現はないものの、人の生き様を芸術的に書き切るところは同じ。
どちらかを取れと言われれば、「したい気分」のほうがよいかと思う。
イェリネクの目指す世界がより完成しているように感じるから。
ただし、性器に固執したきわどさは相当なものですが。

この作品は映画化されカンヌのグランプリを取りましたが、基本的な出来事は原作に忠実に沿ったものの、映画は映画として独立した味を出していたようです。
この原作で映画をグランプリに値する作品を作ったというのはまさしく監督の手腕ですね。
精神世界を映像にできなければありきたりの作品になることも十分考えられる小説ですからね。

ポルノ芸術路線まっしぐらですが、次は「11分間」でもいってみようかな。
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2005.02.08 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |