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地図に仕える者たち

アンドレア バレット

6編中の5編が1800年代のお話。
いずれも、植物学や地理学、博物学、物理学などがとてもロマンチックに小説のモチーフとして取り入れています。
いずれも決して専門的な話ではなくて、自然科学の世界をとても魅力的に感じさせてくれる。
これがこの本の一番のおすすめ。
ストーリーは恋愛であったり郷愁であったりとさまざまだけど、いずれもが古きよき時代をいとおしむかのように書かれています。
図書館に行って1800年ごろの本をいろいろ眺めているような得も言えぬ気分になるから不思議。
それは、科学がまだ未成熟でロマンにあふれていた古きよき時代。
とりわけ表題作の「地図に仕える者たち」が出色です。
ヒマラヤで測量をしながらメールのない時代に故郷に残る妻クララと手紙でやりとりをするマックス。
山での植物との出会いや自然との対峙、妻への思いなどがとても美しく描かれています。
これ以外の作品もなかなか棄てがたい魅力にあふれたものばかり。
お気に入りの1冊になりそうな気配を感じます。

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2005.01.23 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |