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火天の城

山本 兼一

信長の野望をそのまま形にしたような安土城を作り上げた熱田神宮の宮番匠(大工)岡部又右衛門以言と以俊親子の物語。
南蛮風にせよとの信長の厳しい要求、甲賀による作業の妨害、疫病の蔓延、材木伐採や石積みなどでの災難が次から次へと襲い掛かる。
親子の間の葛藤や夫婦の問題などもたびたび語られます。
幾多の苦難を乗り越えて、歴史的な構造物を作り上げた棟梁親子の生き様に感じ入るものがあります。

それにしても、この小説は読んでいてとてもさわやかな感じばかりが残る。
どうしてか、その理由はよくわからない。
決して善人ばかりでもないし、残酷な描写がないわけでもない。
それでも心地よい読後感ばかりが心を満たす。
信念を持ってことにあたることの美しさなのだろうか。

この本を読みながら、何年か前に安土城阯を訪れたことを思い出した。
あそこが安土城のあったところだったのだと思うと今更ながらに感慨深いものがある。
「兵達の夢のあと」という言葉が似合うようなところだった。
この小説を読んだ後ならば、城址の見方も違ったものになったような気がする。
また、近江に行きたくなってきた。

3DCG安土城

安土城
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2005.01.13 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |