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NOTHING

中場 利一

岸和田少年愚連隊の中場利一氏の新刊。
貧しい家庭の子、親に迫害される子、職場で後輩から脅される先輩、在日の子...
いろいろな境遇におかれた人が出てきます。
いずれも世の中で疎んじられたり、忘れ去られているような人たち。
でも彼らには彼らなりの立場や考えを持っているわけです。
社会的な弱者の視点から書かれ、その気持ちを代弁するような短編集です。
起承転結を期待するような話ではありませんが、ちょっとだけ柄の悪い大阪弁の掛け合いがとても楽しいし、一人一人がとても生き生きと描かれていて知らず知らず引き込まれてしまいました。
きれいごとではないところで、懸命に生きている人たちの息づかいが聞こえてくるようです。
普通のベストセラー作家が持ち合わせない人情身を感じるような話でよかったです。
唯一難点を挙げるとするなら、話の落ちがいずれも今ひとつ。
そこはこの小説に期待しないほうがよいみたいです。

それにしても大阪の下町?に住む子供は元気がよくていいですね。
悪がきがいろいろできてきますが、みんな憎めないいいやつばかり。
子供のころ仲のよかった男気のある不良たちのことを久しぶりに思い出しました。
当時の不良は根のいいやつが多くて、よき友でした。
あらためて、あのころはいろんなタイプの人間がなかよく暮らしていたんだなぁと昭和の時代を懐かしく思い出しました。
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2004.10.28 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |