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網野善彦を継ぐ。

中沢 新一、赤坂 憲雄

歴史学にも民俗学にも詳しくないのでこの本のことは正直うまく書けません。
ただ、そこかしこに共感を覚えました。
歴史学の世界にもいろいろな考え方があるんですね。
「いかんともしがたい、えたいの知れない力」にとらわれ、「抑圧の歴史学」から「欲望の歴史学」へと視点の置き換えを試みた人。
歴史学の世界においては異端扱いをされたそうで、「蒙古襲来」ではそこそこの共感を得られたものの、「無縁・公界・楽」によって全面的に否定されたそうです。
書かれた史料をもとに行われる歴史学と人間の無意識の思考や行為を扱う民俗学の間にあって、民俗学寄りの立場をとった歴史学者。
歴史学界の批判に応えるがために、「実証」に翻弄されていく様子が痛ましくさえ感じました。

網野さんは「無縁・公界・楽」のなかで、人民の欲望を語ったんですね。現実の中ではつねに否定されて、短い期間に限って、ちいちゃな空間の中に自分を実現した欲望が、まるで夢のようなかたちで出現しますが、つねに権力がそれを破壊したり、自分のなかに組み込んでしまおうとしていく過程が起こります。

つねに失敗してしまう欲望の力を否定性として読み取ろうとする。
こういう歴史の捉え方にすごく共感します。そう思うと私も歴史学はなく民俗学のほうに関心を持つタイプなのかもしれないと思いました。
勝者によって記録された史実がすべての歴史学にはどうしても違和感を感じてしまうんですねぇ。
歴史学の世界ってのはどうもいかんですな。
史実と言う名の捏造であったり、真実のごく一部か表層をなぞっているようなもののような気がしてなりません。

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2004.10.20 | 本  | トラックバック(0) | コメント(0) |